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  • 2017.03.10 Friday

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    UTMF STY 初挑戦レポ4 本栖湖エイド〜ゴール八木崎公園

    • 2014.05.04 Sunday
    • 15:20


    いよいよ終盤、新しく追加された本栖湖畔の登りに突入。
    竜が岳の下りでかなりのダメージを受け、本栖エイドには結構な時間15分〜20分?ぐらいストップしただろうか?

    なんと本栖エイドでも宮原選手の姿をお見かけした。



    エイドを出てすぐに山に入り登り始める。
    ん?意外と体が動く。

    長めのエイドストップとコンソメ湯葉ご飯が聞いたのか、登りは意外とまだ動けそうだ。
    タイツをはき忘れたが、すぐに登りだったので体が温まり、そのまま行けそうだ。

    長めのエイドストップで回復したのか、体が軽い。
    しかも本栖の登りは意外とあっさり終わり、稜線上はかなり走れるトレイルだった。

    「山の精霊が再度降臨した!」

    そう感じた。

    再びサクサクとフラットなトレイルは走り、また次々とランナーを抜き始めた。
    自分でも信じられなかった。60kmを過ぎて再度この感覚になるとは!

    なぜか、もうゴールまでこのまま行けるような気持ちになっていた。

    どんどん走って行く。

    いける!いけるぞ!
    しかし。。。

    ん?なんか・・・

    「うっぷ、うぷぷ」

    突然、吐き気を催し、一気に減速。。
    調子良く走って居たのに、体が動かなくなった。寒気も襲って来た。

    急いで2個目のガスターを飲む。

    「うう、吐きそう。」

    とにかく、収まるまでゆっくりでいいから進もう。
    動かないと体がどんどん冷えてしまう。
    15分ぐらいだろうか、ひたすら吐き気と戦い、歩いた。

    辛い、辞めたい。
    次のエイドまでまだ10km以上、、、。

    無理だ。
    一気に弱気になる。

    これが、ロング特有の内蔵トラブルか、、。
    今まで50kmしか走ったことのない私は、レースでも練習でも、こんな状態に陥ったことはなかった。
    一瞬でやる気も力も奪い去る、恐るべし内蔵トラブル。
    ゲップが止まらない。

    いつ中身が全部出るか、カウントダウンされている気がした。
    必死にやる気の元を、あたまの中で探した。

    夜10時半、12時間の仕事を終えて、暗い汚い工場の合間を縫って、黙々と自宅までの28kmを走った日々を思い出す。

    仕事を終えて夜11時半から三浦トレイルを朝4時まで40km、一人黙々と走ったじゃないか。
    乗り越えられる。絶対乗り越えられるはずだ!

    鬱に苦しみ、誰も信じられなくなり、誰とも話したく無くなり、二週間もの間、家からでられなかった苦しみを思い出す。
    あの苦しみに比べたら、今の吐き気の方がましだ。

    あんなに、暗いさみしい道を走って来たじゃないか。

    そして、最愛の子供達を思い出す。

    「パパ、ダメだった…」
    って、言えるのか?
    「言えない。絶対に。」

    だんだんと歩みは早くなり、再びジョグし始める。
    「ゴールまで行くんだ!
    俺は、変わるんだ!」

    そう言い聞かせて、前に進み続けた。
    パノラマ台がイマイチよくわからずに、下りに入る。

    嬉しいはずの下り、今はもはや苦痛だった。一歩一歩進む度に大腿筋が悲鳴を上げる。痛い、痛すぎる。
    もう下り足は死んでいる。

    早歩きか、ゆるい箇所を何とかジョグできる程度が限界。
    早く終わってくれ!

    しかしなかなか終わらぬ下り。
    二人に抜かれる。全くついていけない。

    下り切ったら、すぐに長いロードだと思って居た。しかしロードには出ず、漆黒の樹海の中の林道を進み続ける。

    「ロードは、ロードはまだか!」

    ヘッドライトが点滅した。バッテリーがもうすぐ切れるサイン。
    ものすごく暗くなって来た。

    でも電池を変えるのが億劫だ。まだなんとか見える。
    本栖エイドから、ほとんど食べれてないので、胃が空っぽだ。ハンガーノックが間近に迫っている感じがする。
    力が出ない。でも、食べれない。
    ヘッドライトが限界に暗くなった。

    仕方ない。ウェストライトにしていたブラックダイヤモンド90ルーメンをヘッドライトにして、メインライトで照らし、バッテリー切れしたペツルは面倒なのでポケットにしまう。
    かなり視界が良くなり、難を逃れた。

    まだまだ終わらね樹海トレイル。すぐ脇にロードが見えている。

    あんなにトレイル好きのロード嫌いだったのに、いまは

    「早くロードに出せー!!」
    と、苛立つ。
    もはや一つでも上位で、と言う気持ちは消え失せていた。

    今はただただ一歩一歩前に進む事、早くゴールしたい。
    この苦しみから解放されたい。
    その一心だった。
    歩きたい、止まりたい。

    でも遅くなればそれだけゴールタイムは遅くなり、いつまでもこの寒い暗い中をさまよう事になる。
    やっとやっと出た鳴沢エイドにつながるロード。

    電光掲示板には「気温2度」の表示。
    いよいよ体が冷えて来て、アディダスのウィンドシェルの上から、バーサライトを着込む。
    暖かい。

    鳴沢までのロードはだらだらと嫌らしい登りが続く。走ったり歩いたり。
    遥か前にUTMFランナーらしき人影が見えると、ひたすらそれを追って、少しでも走る。
    鳴沢エイドまでは果てしなく長かった。もうハンガーノック寸前だ。

    やっとやっと鳴沢エイドに着いた。
    ベンチに座り込んだ。咳き込むと、吐きそうになった。

    「暖かいものは何がありますか?」
    エイドスタッフに聞く。

    「コンソメと、温かいレモンティーがあります」
    「コンソメください」
    ボトルにコンソメスープをもらい飲む。

    「あったかい!」
    体に沁み渡る。

    そうだ、ペツルの電池を替えなくては。
    電池切れしたヘッドライトの電池を替えようと、電池ボックスを空けようとする。

    「あ、あれ?あかない」

    手が震え、そして握力が全くなく、電池カバーをはがせない。
    やっとの思いでカバーを開けても、電池を指で取り出せない。
    四苦八苦していると、見かねてエイドのボランティアの方が、

    「電池交換ですね!大丈夫やりますよ!」
    ありがたい。もう電池交換も出来ない程に弱っていた。

    「何か食べなくては」
    立ち上がると、凄まじい立ちくらみがしてひっくり返りそうになった。

    すかさず女性のボランティアが
    「なにかとりましょうか?」

    幸いこの時間帯、鳴沢エイドにランナーは数人。スタッフは多少手が空いていてくれたおかげで、
    色々助けてくださった。
    「チョコレート3つと、温かいレモンティーをなるべく濃いめにボトルへ入れてくれますか?」
    すかさず準備してくれた。

    暑いレモンティを一口飲む。
    「う、うまい!!!」

    これなら飲める。もうこのレモンティの糖分と水分で残りを走りきるしか無い。
    無理矢理チョコレート2つを口に入れ、暖かいレモンティーで流し込んだ。

    かなり暑いままにしてもらったので、口の中はやけどしたが、それでもジワジワと内蔵が暖まって行くのが解る。
    最悪動けなくなった事を考え、タイツをだし、上から履いた。

    グローブも汗ですっかり濡れた薄手のグローブから、厚手のロンググローブに変えた。
    エイドスタッフが

    「いまSTYだと25位辺りだと思いますよ!」
    と教えてくれた。

    「えーーっ!!うそ!!それしかまだ行ってないんですか??」

    びっくりした。これまで自分の位置は全く把握していなかった。それほどまで上がっていたとは。
    すごく自信になった。

    ゆっくりでも良い、とにかく前に進み、ゴールしなくては。
    でも、身体が、、、
    動かない!

    立ち上がると、頭がグルングルンする。
    アーモンドチョコ5粒とレモンティーのエネルギーだけで、乗り切れるのか?
    限りなく不足している気がする。
    でも、もう食べれないし、行くしかない!這ってでもゴールしてやる。
    クラクラする頭を上げ、満天の星空を眺めながら、大きく深呼吸した。

    よし!行くぞ!

    そして、沢山たすけてくださったエイドの皆さんの声援を受けて、漆黒の樹海へ入っていく。

    鳴沢エイドから、ゴールまでのルートは、私はよく知って居た。
    なにか不思議な縁を感じずにはいられない。

    2012年11月、また鬱と非常に苦しい戦いをして居た頃、思い立って「アドベンチャーDIVAS」の河口湖周辺トレイル30kmのイベントに参加したのだ。

    これが、私の初めてのトレイルイベント参加であり、前日ギリギリにwiggleから届いたサロモンスピードクロスを、初めて履き、人生で初めて30kmを走ったそのコースこそが、この紅葉台から八木崎公園へのルートそのものだったのだ。

    その時、私は体重70kg 体脂肪率27%、ぶよぷよメタボだった。

    それでも、河口湖の向こうに輝く雄大な富士山、次々と変わった表情を見せる山々、時折休憩で食べるチョコレートの美味しさ、本当に久々の喜びを感じ、心から楽しんでいる自分を、しばらくぶりに再発見した瞬間であり、暗い失望のどん底に居た私に、一筋の希望の光が差した瞬間だった。

    あの日は、まさか1年半後にこうしてSTY91kmを走っているようになるなんて、夢にも思わなかった。

    でも、今私ははるかに進化して帰ってきた。たくさんの厳しい大会を走り、熱中症でボロボロになりながらゴールしたキタタン、初めて山の精霊の存在を感じた信州戸隠トレイル、スカイランニングの素晴らしい世界を教えてくれたおんたけスカイレース、初めて総合トップ10に入れた高尾桧原ふれあいトレイル、などなど、すべての大会が個性的で美しく思い出深い。
    そして、今日このルートが、このSTYのクライマックスであることが、私が這い上がるきっかけを作ってくれた、この山への感謝を伝えに来たように思えてならない。

    暖かいレモンティをちびちびと飲みながら、あの日の記憶を鮮明に辿りながら、ゴールを目指す。

    「そう言えば、紅葉台の後にイノシシが泥浴びするような深い泥だまりがあって、そこに足がはまって靴を持って行かれたランナーが居たな!」

    そんなことを思い出していると、なんとその泥だまりは、一年半前のあの日のまま、全く同じように、その場所にあったのだ!

    何だか、昨日のことのように思えて、楽しくなってきた。体もだんだん動きだし、緩い登りまでは走っていた。

    五湖台を過ぎると、ついにゴールの八木崎公園の明かりが見えてきた!

    胸が熱くなる。
    「ついに来たんだ!」

    下りに入るまでの緩やかな区間は、もうすぐゴールの嬉しさで走った。

    し、しかし!

    最後の最後に河口湖へ下る急な下りへ突入!

    一段降りる。
    「ぐぅわああ!」
    まるで一段降りる度に、魔裟斗のローキックを食らうような激痛。

    「大腿筋軍、壊滅です!司令官!」
    私の大腿筋軍からの無念の伝令が届く。

    もうなすすべはない。
    死に切った激痛の足を引きずりながら、一段一段降りる。

    何人かに抜かれたが、もはや抵抗する気力さえない。

    ただひたすら一歩一歩歩みを進めた。

    やっとの思いで、湖畔に辿り着く。
    「あと3kmぐらいですよ!」
    「な、長いな。」

    足は激痛だが、この3kmは絶対走り切ろう。そう決めて、歯を食いしばり痛みと戦いながら、もうkm7分くらいかかったかもしれないが、進み続けた。

    クネクネと湖畔路は曲がりくねり、なかなか八木崎公園は見えない。

    「まだか、ゴールはまだか!」
    足が痛い。歩きたい。膝もかなり痛む。
    膝は深刻な故障になってしまうだろうか?不安がよぎる。

    でも、多少はそう言うことも覚悟して参戦したんだ!ゴールはもうすぐだ!

    ついに、ついに、見事な桜がライトアップされた八木崎公園が、白く光るゴールのアーチが、見えてきた!

    ついに、ついにやったぞ!
    最後の力が湧いて来てペースが上がった。ゴールだ!ゴールなんだ!

    最終コーナーを曲がる。
    時刻は深夜2時40分過ぎ、恐らく最も観客の少ない時間帯だっただろう。

    でもそんなことは気にならなかった。
    白くライトアップされた見事なゴールアーチが、一歩一歩近づいてくる。

    その向こうでは六花さんが手を上げて待っている。
    涙が溢れ出た。

    「俺はやった!やったぞ!」
    「うおおおっ!」
    思わず、叫んだ!

    ピピピピ!
    最後のチップチェックの音が、夜の八木崎公園に響く。

    笑顔で出迎えてくれた六花さんの胸に飛び込んだ。

    やったぞ!ついにやった!
    終わったんだ!
    両手をたかだかと上げて、ゴールアーチをくぐった!


    91kmに渡る壮大な旅は、いま終わった。このUTMFを構想し、開催し今に至る全てに関わって来た方々に感謝の気持ちが絶えない。
    そして、富士山に、通って来た山々に、感謝!

    最終にゴールアーチの向こうの富士山に手を合わせ、全ての感謝を込めて一礼した。

    トレイルランに出会えた事、今こうして最高の瞬間を感じられる事、影で支え続けてくれた家族、子供達に、溢れる感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。

    トレイルランが無かったら、もしかしたら、今ここに私は生きていなかったかもしれない。私はトレイルランに出会えたから、もう一度這い上がることが出来た。いまトレイルランは色々な物議を醸し出しているが、少なくとも1人の命を救ってくれた。生きる喜び、苦しみを乗り越える力、苦しみの向こうにいままで感じたことの無い、大きな感動と達成感を初めて教えてくれたと言う事実だけは、微力ではあると思うが訴えていきたい。

    UTMF それは全てに満たされた近代社会の中で、人間がこの地球に現れたばかりの時から持っていた、生命力、人間だから持っている弱さ、悩み、強さ、全てと向き合いながら、地球と自然の中で、生き抜く力を目覚めさせ、自分の知らない自分と出会い、力強く生き抜くきっかけを教えてくれる、壮大な旅。

    どうか、この壮大な旅が、これからもずっとずっと続いて欲しいし、私たちトレイルランを愛する全ての人たちが知恵を出し合い協力して、この素晴らしいスポーツを守り、発展させて行きたいと強く思った。

    最後に寒い山中やエイドで助けくださったみなさん、ボランティアの皆様に改めて深く感謝します。

    来年はUTMFランナーとして、帰って来たいと思います!

    長い長いレポ、お付き合い頂きありがとうございました!

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    STYレポ4

    • 2014.05.04 Sunday
    • 01:13
    一生懸命書いた、STYレポ4。
    書き上がり、あとはUPするのみ。
    の、ところで
    まさかのフリーズ&ダウン。

    全部、消えたT_T

    鳴沢エイド以上に心折れたかも、、、

    レポ4復元まで、しばしお待ちください(;_;)

    STY後の回復

    • 2014.05.01 Thursday
    • 09:14
    火曜日より仕事再開。
    STY完走直後の日、月はあまりの疲労と足の痛みでほとんど動けず、ほぼ寝たきりで、ひたすらレポ書きに没頭しましたが、仕事が再開して、すっかり書く時間が無くなってしまいました。

    回復状況ですが、最初の2日は前代未聞の痛みでしたが、2日目の夕方ぐらいから痛みが引き始め、近所のスーパー銭湯へ行き、水風呂とぬる湯を交互に、時々ジェットバスなどでほぐしたら、大分まともに歩けるようになりました。

    左足の踵が腫れ上がっていたのですが、ボルタレンとインドメタシン系ジェルを順番に塗り、今は腫れも痛みも8割方ひきました。

    STYから帰還しポストを開けたら、道志村トレイルの受付ハガキと、昨年年代別1位になった信州戸隠トレイルのハガキが来ていて、オエッ T_T となりました、、、

    でも、昨夜仕事後に何時ものマッサージりらく で90分 ガッツリほぐして貰うと、今日は出勤時小走りしたり登り階段も軽快に登れたのて、ひょっとして、出れる? と、いう気持ちが湧いたり。

    あんなに、もう2度とこんな苦しみ味わいたくない、なんて思って居たのに。

    苦しいことを忘れるのは早いですね。
    レポ4、もう時期UPします!

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    STY 目標達成 表彰式

    • 2014.04.28 Monday
    • 20:28
    本日、厳正なる審査の結果、
    私は
    2014年度UTMF STYにおいて、
    事前申告した目標を見事達成しましたことを賞しまして、
    特別敢闘賞が授与されました!!

    パンハカパーン!!
    賞品は!

    こちら〜!!

    うおーっ!!天国じゃああ!

    そうです、
    私は 耐え抜いたのです。

    大好きなスナック菓子も
    唐揚げも
    アイスも
    カツカレーも
    炭酸飲料も

    耐えに耐え、

    十穀米を食べ続け、
    水菜を食べ続け、
    まるで脂肪のない鶏胸肉のオリーブオイル焼きを食べて

    足の痛さに耐え、
    寒さに耐え、
    吐き気に耐え
    辞めたいという気持ちに耐え

    そして、
    ゴールしたのです、、、

    何という 嬉しさなんでしょう!
    きっと、またより一層厳しい困難に出会った時、
    この特別表彰を思い出すでしょう!

    困難を乗り越えた時、また、あの特別表彰が待っていると、、、
    そして、その力が私の背中を押すでしょう。

    ありがたや、ありがたや、、、

    うおー!食べるぞ〜っ!
    バリバリバリ〜っ!
    シュワシュワわわ〜!

    ひゃっほー!!

    UTMF STY 初挑戦レポ3  麓エイド〜本栖湖エイド

    • 2014.04.28 Monday
    • 16:16
    「スタートは麓から」をテーマにスタートした私のSTY。
    そしてその「麓」エイドに到着した。


    最重要課題だった、麓まで温存し足が出来るだけフレッシュな状態で麓エイドを出る。
    その課題は達成できたのか?

    麓エイドに到着した時点では75点と言う感じで達成感を感じていた。
    さすがにいくら抑えても45kmの道のりのそれなりの疲労感は感じていた。
    でも、まだkm5分は平坦舗装路なら問題なくだせそうな程度の足は残っていたように感じている。

    雪見岳では日も暮れかけてかなり寒さを感じ始め、ベルトに巻き付けていたバフを首に巻いた。
    そして下りながら麓エイドでどのような準備をするか、頭の中で考えながら、雪見岳の下りを下っていた。

    「まず麓エイドに着いたら何をしよう?ボトルは1本はほぼ空だから、スポドリで満たそう。2本目の左のボトルにはアミノバイタルゼリー2本、アミノバイタルエナジーゼリー2本、計540kcal分のゼリーもほぼ全て飲み尽くした。なのでその一本にはコーラを半分とスポドリ。食べ物も少し食べよう。携帯しているジェルは後何本残っている?4本携帯したSAVASゼリーバーは2本食べた。まだウィダーのカフェイン入りピーチジェルは3本残っているが、後半の場面の為に取っておこう。ウェアはどうする?まず、汗で濡れたアームウオーマーとボディコンプレッション腹巻きは外し、バックに携帯したKappaの起網長袖に着替えよう。間違いなく麓エイドアウト後は夜間走になるから、ヘッドライトとウェストライトを装着しよう。タイツはどうする?上に起網ウェアを着れば下は着なくてもまだ行けるか?本栖湖で着替えるか?」

    等々思いを巡らせながら、出来るだけ麓のエイドストップをスムーズにクリアできるよう考えた。

    結局タイツは履かずにそのまま行く事にした。
    エイドではクリフのエナジーバーのかけらを4つ程、アーモンドチョコ1つ、カットバナナに塩をつけて1つを食べた。

    UDのSJベストから、無理矢理詰め込んでパッキングした、ジップロックに入った防寒用Kappaの起網フリース長袖を出し着替える。
    今まで50km以上の大会は走った事が無いから、こんな風にハイドレバッグをおろして、着替えたり、装備を変更した経験は全く無かった。
    同時にネット映像で見ていたUTMBのエイドでの装備チェンジや、暗くなってゆく空をバックに、ヘッドライトを装備して颯爽とエイドアウトするランナーの姿に憧れていた。
    今、それを自分自身がやっている。なんか感無量。

    ついに初めてのレースでのナイトランなんだ。

    SJベスト背面のスモールポケットに押し込んでいた、ペツル200ルーメンのヘッドライトを装備し、ブラックダイアモンド90ルーメンのヘッドライトをウェストライトとして装着。
    脱いだアームウオーマーと腹巻きを忘れずにバックにしまう。
    それなりに疲労しているし、レースとしてそれなりにエキサイトしているし、小物をつい置き忘れたりしそうで心配になる。
    忘れ物チェックOK,すべてバッグに収容した。

    さあ!エイドアウトだ!!

    テントの外はかなり薄暗くなっている。エイドには10分ぐらい居ただろうか?
    サポートスタッフも無しなので、全て必要なものは携帯した。
    ボランティアスタッフや他のランナーのサポートの皆さんも、エイドアウトしようとする私に
    「がんばれ〜!ナイスラン!!」と沢山応援してくれる。
    なんか、疲労のせいか、それともゲレンデマジック的な現象なのか解らないが、エイドにいらっしゃる女性スタッフがやたらかわいい子が多い気がする。それだけによけいに気合いが入ってしまう。私はつくづくアホなオスだ。。。

    「まだ経験した事の無い距離、初めてのナイトラン、ここからが本当のレースのスタートだ。」
    そう改めて心に言い聞かせ、大きく深呼吸して薄暗い朝霧高原へ駆け出した!

    かなり暗くなっていたが、メインライトのバッテリー節約のため、ウェストに装着したブラックダイアモンド90ルーメンライトの広角サブライトで足下のみ照らして、バッテリー節約。願わくば電池交換無しで乗り切りたいと言う思惑だ。

    どんどん日は暮れて暗くなってゆく。いよいよ勝負どころのナイトランが始まる。
    転倒のリスクも上がるし、気温も下がり、出せる速度も落ちてくる。より集中して走れる所は走り、下りも転倒リスクは回避しつつも可能な限り速度を落とさないようにしなくてはならない。
    プロフィールを見た限り、竜が岳の登り口まではかなり延々と山の麓の林道を走る続けるものだと思っていた。
    しかし、それなりに走れた事もあり予想外にあっという間に竜が岳の登り口に到着した。

    大きな杉林の中に続く、漆黒の闇のトンネルが口を開けて待っている。
    ゴクリ。
    日中とは全く様相の違う山に、思わずつばを飲み込む。
    漆黒の闇に飲み込まれるように、端足峠への登りを登り始める。
    もりに包まれたトレイルはまさに漆黒の闇。上を見上げると、ヘッドランプの灯りで青白い光がゆらゆらと所々にうごめいている。
    近くに小さな沢が流れているが、そこに転がっている大きな岩陰から、
    「ゴリゴリゴリ…、ギョリギョリ…」
    実に不気味なこすり音のような、明らかに何か生物が出している音が鳴り響く。
    私の頭には鮮明に小学生の頃愛読していた「妖怪大百科」の「あずき洗い」の姿が思い浮かんだ。
    むかし、車も舗装路も無い、どのような道もトレイルであった時代、歩き疲れた旅侍は、こんな不気味な音を聞いて、疲労なども相まって、それこそウルトラトレイルランナーが見てしまうような幻覚から「あずきあらい」のような妖怪が生まれたのではないだろうか?
    実に不気味な音だったが、きっと実際はウシガエルかなにかだろう。
    でも、今の私にはあの大岩の向こうで「あずきあらい」があずきを研いでいる姿ばかりが、頭に浮かんでいた。

    漆黒の竜が岳、苦しそうにゆらゆらと前を進む青白い光をはなつ疲弊したUTMFランナーが、大変失礼ながら私の目にはゾンビのように見えた。
    「ゾンビがひと〜り、ゾンビがふた〜り、ゾンビがさんに〜ん」
    パスしながら頭の中で数え歌。(あくまで私のアホな頭の中での妄想です。必死に頑張っていた皆さんを尊敬しています!!)

    竜が岳頂上が近づくにつれ、かぜも強くなり寒くなって来た。そこでウェストに巻いていたアディダスのウィンドシェルを着るために立ち止まる。ついでに私が初めて参加したトレイルの大会で今に至るきっかけとなった、2013年三浦半島縦走トレイルの参加賞でもらったニットキャップをかぶり、その上からヘッドランプを装着。温かい。
    そうこうしていると、生きの良い若そうなSTYランナーに久々に抜かれる。
    抜き返され始めたか・・・。
    自分がペースダウンして来ている事に気付く。

    ロングトレイルでは、ペース配分が全てうまく行ったとき、原則として抜き返されると言う現象はなかなか起きない。
    基本的に30km前後走行後では、周辺を走っているランナーの力量は自然とふるいにかけられ、均衡しているものであり、ある程度の距離を消化後に抜かせるランナーは、前半かどこかでオーバーペースとなり、ペースダウンしたランナー、良いペースをキープしているランナーとは差を保ったまま追いつかないし、自分自身もペースダウンしない限りなかなか追いつかれないはずなのである。

    追いつかれ始めると言う事は、自分が後ろのランナーよりも早くペースダウンし始めているサインであり、その原因はそれ以前に追い抜いて行ったランナーよりもオーバーペースをしてしまっている可能性を示している。

    しかし、今それを考えてもしょうがない。
    できるかぎり速度の上下を抑えて、力を節約しつつ、ゴールまで丁寧に余力を使って行く事に集中しなくてはならない。本栖湖から先も侮れないコースが待ち構えている。

    抜いて行った若いランナーもそこからそれほど速いペースでは進まず、じわりじわりと離されつつも、竜が岳頂上まではずっと視界にとらえていた。おかげでSTY内で2番目に厳しいと見ていた竜が岳は予想外に簡単にクリアしたように感じた。
    竜が岳頂上付近は私の大好きな笹野原で、きっと日中は絶景に違いない。遠くに富士五湖周辺の町だろうか、下界の町灯りと星空が美しかった。しかし風も強く、冷えない為にも頂上ではとまらずにすぐに下りへ入る。

    今日2本目のロングダウンヒル。この下りも警戒していたが、ここも予想以上に厳しいダウンヒルだった。
    弱い。私の大腿筋群は弱すぎる。
    この下りでも更なるダメージを受けた。相当ペースはセーブした。ナイトダウンヒルだけに転倒はリタイヤにつながる怪我にも結びつきかねない。ペースメイクしてくれていた若者は遥か視界の外へ行ってしまった。
    同時にどうも腹が張って来て、補給意欲が減退し始める。ジェルの味に飽きてしまい、本当は補給しなくてはならないのにあまり食べ物を口にしたくなくなっている。
    早めに対処しようと、ガスターを飲む事にした。

    ガスターはSJベストのヘッドランプを入れてあった背面の小ポケットに入れてあったので、バックをいったんおろしガスターをだそうとするとなんとそのポケットのチャックが7割型開きっぱなし!!
    「やばい!落としたか??」
    一瞬焦る。
    運良くガスターと予備電池を入れたジップロックは伸縮性のあるバックの生地のおかげで落ちないでいてくれた。
    「助かった!」
    麓エイドで、忘れ物チェックはしたが、チャックを閉め忘れていた。

    ガスターを飲み、ペースをセーブして下る。
    なんとか長いキツい竜が岳の下りを終え、本栖湖畔の舗装路に出る。
    平坦はまだ走れる。km5分50〜6分半をキープし本栖エイドを目指す。
    さすがにだいぶ足は痛い。でもまだ気持ちは折れていない。まだまだ頑張れる。
    ただ胃腸の調子が不安だ。
    しょっぱい、温かいものが食べたい。
    「次のエイドでは温かいものを補給しよう、少し多めに休憩し、ストレッチしよう。本栖湖畔の山は結構キツいし鳴沢までは長い。焦ってエイドアウトしないでここは少しじっくり行こう」
    そう考えながら、暗闇の向こうに光る本栖湖エイドを必至に目指した。

    さすがに疲れた。温かいものを求め本栖湖エイドへインする。
    そこは疲労困憊したランナーたちの野戦病院と化していた。決して広いとは言えない室内一杯に選手が座り込み、私とほぼ同時に到着したランナーは脱水なのか、生まれたての子鹿のように倒れ込んだ。
    壮絶な光景。
    サポートらしき女性も、おそらく待てど暮らせどたどり着かないサポート選手に待ちくたびれ、半分キレているような感じの方も・・・。
    ガールフレンドや家族にサポートを頼む時は、相当なトレランへの理解が無いと、相手にもかなり迷惑をかけるんだな、と感じてしまった。たしかに急に動けなくなると、一気に3、4時間計画は狂う。山中でどちらかが携帯がつながらない事も多く、音信不通のまま野戦病院のような泥だらけで汗臭いエイドで、深夜に待ち続ける事は決して楽な事ではない。

    傷ついた戦士たちであふれた本栖野戦病院ではあったが、室内で温かく、私に取っては救いのオアシスだった。
    そして念願の「コンソメスープ!!」
    このエイドには「湯葉ご飯?」のようなものがあり、この湯葉ご飯にコンソメスープを入れてもらって食べた。
    「うまああーい!!」
    美味しすぎる。涙が出そう。
    はっきり言って甘いスポドリ、コーラ、ゼリー、ジェルを取り続け、甘い系にうんざりしており、取らなきゃと思う度に吐き気に近い気持ち悪さを感じ始めていた。
    この本栖エイドではおいしい湯葉ご飯コンソメスープを2杯いただき、オレンジを2切れ、ポテチ2枚、アーモンドチョコ2個を食べた。

    明らかに摂取カロリーは不足し始めている。
    本当はもっと取らなくてはカバーしきれない。
    でもこれ以上は食べれなかった。
    椅子に座って臀筋群をストレッチ、脹脛や足裏を揉んだ。
    ボトル1本にスポドリ+ジップロックに用意してあったエナジードリンクパウダーを入れる。
    もう一本にはスポドリ半分+コーラ+ウィダーピーチジェル。
    今までで最長のエイドストップ。次々に抜き去った記憶のあるランナーがエイドインして来た。

    焦ったつもりは無かったが、結果的にタイツをはく事を忘れてエイドアウトした。
    本栖の登りはエイド後に少し湖畔のロードを走ってから登りに入るものと思っていたが、エイドの裏からすぐ登りだった。
    これは助かった。
    結構長くエイドストップしたため、動いて体を温める必要があったが、すぐに登りだったので冷えの心配が無かった。

    竜が岳で抜いたはずのSTYランナーがまた前から現れた。本栖エイドには20分ぐらい居たのかもしれない。だいぶ抜き返されているようだ。でももうそんな事はどうでも良い。とにかくゴールしたい。それだけを考えるようになっていた。

    レースはいよいよ終盤、本栖湖畔の登りへ突入してゆく。

    レポ3へ続く・・・
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    UTMF 余談  UTMFで見たアイテム

    • 2014.04.28 Monday
    • 11:25
    初めて参加したUTMF STY。
    日本中、いや世界中のトレランナーが集結したその会場で見たトレランアイテムのちょっとした余談。

    まず、今大会非常に高いシェアを見せていたのは何と言っても 「ULTIMATE DIRECTIONのハイドレーションバック」 だったのではないでしょうか?
    iPhoneImage.png
    グレー地に赤ブチは2013年以前の旧モデル

    昨年原選手がSJモデルを使用して優勝した事も非常に大きな要因と思いますが、
    やはり私自身愛用してみて、何よりも
    1:超軽量である事
    2:非常に揺れにくく走りやすい事
    3:フロントダブルボトル設計

    この3点が大流行した最大の理由だと個人的に思っています。
    それまで、絶対的シェアを誇っていたサロモンキリアンモデルやスキンラインに 大きなライバル登場と言えます。
    同時にSJモデルよりも容量が一回り多い「PB アドベンチャーベスト」も大変多く見受けられました。
    特にUTMF168kmランナーには最適な容量かと思いました。

    PBアドベンチャーベスト
    とにかく、右も左もUDバックユーザーが多く見受けられました。
    最新モデルはふちが水色になり、白い紙のような生地だった部分が、より強度のあるしなやかな化繊素材 になって、重量は旧モデルより若干重くなりましたが軽量である事に変わりなく、耐久性が向上したように思います。

    しかも、これこそ余談ですが、私が以前の記事で書いた
    http://try-trail.jugem.jp/?eid=157
    UTオリジナルボトルをレイドライとストロー付きボトルに変える仕様にしているランナーが非常に多かった!
    私の影響!?んな訳無いよねえ(笑)
    でも実際、SJベストだとそれこそ手を使わずにドリンクを飲めるベストポジションにストローが来るので、ドリンク補給をこまめにスムーズに出来て、とってもグッドです。(ただし!前屈したり、転倒したとき、ボトルが抜け落ちるリスクがあります!)

    青ぶちの最新モデルユーザーもとても多かったですね。
    私は多くのユーザーが使うメジャー機材を使いたくないひねくれ者なのですが、このバックとサロモンスピードクロス3だけは、とにかく良いものは良い、と背に腹は代えられない思いで愛用しています。
    やはり人気が出るものは良いのですね。

    その他、シューズで目立ったのが サロモンフェルレイザー

    これは、国内メジャー販売店での大セールの影響も少なくないかな?とも思いますが、 やはり非常に安定感のあるグリップ性抜群のソールと、足を保護するしっかりとした作りのシューズとして、人気を集めたのではないでしょうか。
    しかも某店ではすごい安いですから(笑)

    ただ、シューズはやはり好みが分かれますから、モントレイル、スポルティバ、アシックスなどなど、それぞれ見受けられましたが、やはりサロモンが一歩リードでしょうか? あ、そうそう忘れちゃいけない!HOKA ONE ONE!
    私はずっと「ホカ・ワンワン」だと思っていました(笑)
    「ホカ・オネオネ」なのですね??まだ間違ってる?
    こちらのシューズも多かったですね。まだ試した事も無いのですが、多くのウルトラランナーが太のシューズとは一線を画す、コンフォートな足入れ感だそうで、こちらも昨年の原選手優勝の影響か、かなりのランナーが使用していました。
    フォルムが独特なのですぐに解りますね。一度試してみたいものです。

    ロングトレイルになればなるほど、アイテムのチョイスは重要になってきますから、こうした装備を観察するのも楽しいですね!

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    UTMF STY 初挑戦レポ2  天子山地〜麓エイド

    • 2014.04.28 Monday
    • 09:48

    西富士エイドでの、大変ありがたい宮原徹選手エイドを後にして、いよいよSTYコース中では最大山岳、天子山地へと突入する。


    天子が岳への登りは、STY全行程の中でも最も標高差があり、距離も長く険しい登り。
    更にそれを超えても天子山塊の山々を稜線伝いに何度もピークを越えながら上り下りし続けながら長者が岳1336m、熊森山1575m、雪見岳1605mまで高度を上げてゆく、間違いなく最大の難所だ。

    出来ればこの天子山地だけでも試走したいと思っていたのだが、増税前後の究極に大変だった仕事の影響もあり全く試走できなかった。
    しかし、この高低プロフィールを見た限りでは、私がホームグラウンドとしてトレーニングに愛用している
    「大倉〜三の塔〜塔の岳〜丹沢山〜蛭が岳」 のプロフィールに酷似しているとずっと感じていた。
    そして、それは結果的に大正解だったと思う。

    もしもこれからUTMFやSTYに挑戦し、天子山地に試走に行きたいけれど行けないランナーの皆さんに
    天子山地想定のトレーニングとしては、上記した丹沢の
    「大倉〜三の塔〜塔の岳〜丹沢山〜蛭が岳」
    ルートでのトレーニングは相当役に立つと思う。

    STYコースの天子山地最初のピーク、天子が岳への登りは、三の塔(塔の岳も同様)の頂上に向かうにつれ傾斜が急勾配になる登りに似ているし、標高も近い。天子が岳〜長者か岳〜熊森山の稜線のアップダウンは、三の塔〜塔の岳〜丹沢山の稜線ルートに似ているし、アップダウンしながら標高を上げて行く感覚も近いと思う。おそらくこの区間は丹沢ルートの方が天子山地よりやや厳しいと思う。
    最後STY2014コース中もっとも標高の高い雪見岳1605mは、蛭が岳1673mに当てはめられる。丹沢山〜蛭が岳へ至るアップダウンは存在しないが、雪見岳から麓エイド一気に下るルートは、蛭が岳頂上から少し丹沢山方面へ引き返して、玄倉林道、ユーシンロッヂ方面へ一気に下るルートと非常に似ている。どちらも相当な急勾配の厳しい下りであり、足への負担の高いテクニカルなダウンヒルだ。標高も非常近いため、麓からの気温の変化や、長い登りの後すぐに下らずに稜線を縦走して徐々に標高を上げて行く感覚も、シュミレーションするには最適だと思う。
    以前の大会では毛無山1964mまで通過するルートの使用もあったようで、そうなると丹沢ルートより更にもう一山追加しなくてはなりませんね。

    さて、STYに戻るが、宮原徹選手に注いで頂いたありがたいコーラをちびちびと口にしながら、天子を登り始める。西富士エイドではほとんど留まらず、おそらく5分以内でエイドアウトしたと思う。
    この辺りからUTMFランナーに多く会うようになり、つねにランナーを抜かし続ける状態になる。
    すでに100km以上進んで来ているUTMFランナーの皆さんを「すみません、通ります」と抜かして行くのは
    なんだか恐縮する。皆さん満身創痍で一生懸命一歩一歩進んでいる所に、まだたったの30kmしか走っていない
    私が道を譲ってもらうのは申し訳ない気分だった。
    でも皆さん快く「どうぞ!がんばって!」「ナイスラン!」と道を譲って、温かい声をかけてくださり
    むしろこちらが元気づけられてしまった。本当に感謝です。

    今回最大の課題に掲げた
    「スタートは麓から」を頭の中で何度も唱えながら、天子を登る。
    ひたすら膝をプッシュし続ける、私の登り戦略。
    前傾し、上半身の重さを最大限腕を通じて膝下に伝える事で、膝上の筋肉にかかる体重+登りの重力負担を大幅に軽減できる。
    これを何千、何万歩と積み重ねるロングトレイルでは蓄積して行く疲労に絶大な差が生まれてくると私は勝手に信じ込んでいる。
    誰も膝プッシュしないような登りでも、地道に小股でチョコチョコ、膝プッシュ。
    「足を温存、温存」
    頭の中でブツブツ、ブツブツ。
    天子山地、UTMFランナーにとっては本当に厳しい難所中の難所だろう。

    標高を上げるにつれ傾斜は厳しくなって行く。
    しばらく登ると、私の数少ないトレラン仲間、せーきちさんの姿を発見!!
    何度も同じ大会を走って来たが、こうして一緒に走る瞬間は初めて。
    声をかけてしばらく一緒に登る。

    時々、傾斜が緩くなり走れる区間が現れるが、この辺りから「宮原コーラ」の
    絶大な効果が発揮され始める。
    「足が軽い」
    緩い登りを試しにジョグしてみると、ものすごく軽快にさくさく登って行ける。
    既に30km以上走って来ているのに、この軽さは自分の調子が決して悪くない事を確信した。

    しかし、調子に乗ってオーバーペースになっては行けない。あくまでテーマは「スタートは麓から」
    だがこのの走れる区間を過ぎると登りは一気に厳しくなり、所々手を岩にかけて登ったりするレベルの壁のような急登も現れ始める。UTMFの皆さんは本当にキツそうだ。
    「がんばってください!」
    と応援してみるが、このレベルになってくると「頑張れ」と言われるのはかえって苦痛なんじゃないか
    と、考えてみたり。。。
    とにかく皆さん無事にゴールにたどり着いてほしい、そんな気持ちでいっぱいだった。

    天子が岳を登りきると、そこからは大変気持ちのよい稜線のアップダウン。
    ここで「宮原コーラ」のターボがスパーク。

    私は元々、この天子が岳〜熊森山区間のような稜線が大好きだった。
    おそらくそれは今まで何度と無く訪れた大好きな三の塔〜塔の岳〜丹沢山へ連なるホームグランドコースと酷似していたからだと思う。
    西富士エイドまでフレッシュだった事、憧れの宮原さんに注いで頂いたコーラの効果もあってか
    この稜線で「山の精霊が降臨」した。

    いままでも練習や大会で、私が勝手に「山の精霊が降臨した」と思い込んでいる
    おそらく「ランニングハイ」のトレイル版と思われる状態に突入する事がある。
    私のそれは、これまで主戦場としてきた40〜50km台の大会の影響もあると思うが
    大体20kmぐらいから35kmあたりで降臨する事が多く、
    その状態に入ると約1時間から2時間の間、足の痛みや筋疲労をほとんど感じずに、
    まるで自分が山に棲息する動物になったような感覚になり、自分の感覚的にはものすごく
    気持ち良く、サクサクと走れる状態にトランスする時間帯があるのである。
    それを、わたしは勝手に「山の精霊が降臨」と名付け、その瞬間がトレイルランの醍醐味と
    勝手に喜んでいるのである。

    そして今回は西富士までを徹底して抑えた事や、宮原コーラのプラセボ効果が相乗して、
    いつもよりやや遅い、35km付近でこの「山の精霊降臨」状態に突入したものと思われる。

    「きもちいい!!たのしい!!トレイル最高!」
    熊森山まで実に気持ち良く、比較的走れるフラット区間は走り、ひたすらUTMFランナーと思われる
    ランナーを抜かし続けた。
    UTMFランナーとSTYランナーの区別は大変難しい。
    皆さんゼッケンは前側につけているので、唯一の判断材料である、ゼッケンの色は後ろからでは確認できない。
    ただ一つ、この区間で言える事は、西富士までのひたすら抜かれ続けた区間と相反して
    この天子山地、雪見岳頂上までの間、ひたすら抜かし続け、誰一人にも抜かされる事は無かった。

    途中で西富士までのフラット区間で抜かされた、女性ランナーに追いつく。
    このかた非常に速い!!
    見え始めてから追いつくまで、この天子山地の中ではもっとも時間がかかった。
    非常に力強い足取りで、なかなか追いつかない。
    私もムキになって、ここで消耗してはならないと「抑えて、抑えて、無理に追いつく必要は無い、自分のペースを守れ」
    と言い聞かせながら進む。

    相当な時間、この強い女子ランナーにペースメイクして頂く感じですすみ、やっとこさ追いつき
    「すごいですね!女子上位じゃないですか?」
    と声をかけた。
    すると
    「今2位だって言われました」
    とのお返事!
    わお!どおりで速い訳だ。
    となると、スタート地点で見た女子強豪選手と言えば「リア・ドルティ」選手
    彼女がトップである事に間違いないだろう。
    例年の結果を見ると、女子上位の選手はUTMF、STYともに総合でもかなり上位であり
    これは私が目標としていた総合100位以内に近づいているのでは??と、確信。
    「ここで無理に突き放したりしてはならない。抑えて、自分のペースで」と改めて
    自分を抑える。

    この女子ランナー、本当に速く、「山の精霊降臨」状態の私と
    ずっとしばしの間一緒に走った。しかも、大変お美しい!!(ここが最大のポイント)
    こんな素敵な美ジョガーでしかもお強い方と練習したら、強くなるだろうなあ・・・
    なんて妄想(すみません!)。。。

    熊森山をこえて、雪見岳に登る手前の下りで突如渋滞発生!
    「え?こんな所で??」
    「きゃあああ!」
    と叫び声!
    やばい!事故か!?
    不安になる。
    下の方を見ると、どうやら相当スリッピーな急降下があるようで、
    疲弊したUTMF女子ランナーが滑りながら下っており、下り渋滞が発生していた。

    5分10分止まっただろうか、体が冷えて来た。
    先行していたSTYランナーたちも沢山居たようで、UTMFランナーの方が率先して
    「STYの皆さんを先に行かせてあげましょう!」と声かけしてくださり、
    多くのSTYランナーを先に先行させてくださいました。
    感謝です。

    確かに非常に危険なスリップロードとなっており、ここまで一緒に来た強い女性ランナーも転倒。
    尻餅なので事なきを得たが、気をつけていても滑ってしまうようなデジャラスゾーンだった。
    このとき夕方5時頃だったか。この後夜間にここを通過するランナーの皆さんには、本当に
    怪我が無く通過する事を祈るばかり。

    最後の難関、雪見岳はかなりのキツい登り(だったと思う。。。あまり記憶が無い)。
    STY最高点を超え、いよいよ麓までのロングダウンヒル。
    しかし、このダウンヒル、今までの登り以上の難所だった(泣)

    密かに今回一番心配していたのが、下りの筋力不足。
    元々私は下りに必要な大腿筋群が弱く、課題だった。
    更に輪をかけて、大雪による山練習の不足、雪が減ってからも下りを攻める事が危険で、下りを走る練習がほとんど出来ていない。更に更に三浦と房総2レース中止によるレースレベルでの刺激の不足。
    更に更に更に、昨今のハイカーとのトレラン摩擦による、下りでの高速ランの自主的な自粛も相重なり、どっからどう見ても下り足が不足していると言う懸念はあった。
    雪見岳までこれと言った厳しく長い下りは無く、この雪見岳〜麓へのロングダウンヒルが実質STY最初の厳しい下りとなる。

    私はこの下りをすごく警戒していた。山渓地図でも「急斜面」の記載があり、相当な厳しい下りである事は間違いなかった。
    でもそれは想像以上だった。
    ロープ伝いに後ろ向きに下るような場所もあり、ゆっくり下ったがそれでも相当大腿筋群にダメージ受ける事となった。
    雪見岳で一緒になったSTY男子ランナーには下りでおいて行かれた。
    着いて行く事は出来たが、この先が長い事「スタートは麓から」作戦を思い起こし
    特に急斜面はセーブして時にはゆっくり「よっこいしょ」と下る。
    この下りでもしばらく美しい女性ランナーと一緒だった。
    おそらくハバダ?系のシューズだったと思うが、濡れたスリッピーな急斜面では何度か尻餅をついておられた。

    ハバダやアシックス系のよりランニングシューズよりのシューズのユーザーはかなりこの辺のスリッピーな急斜面で苦労されていたように見える。
    私はトレランを始めた時からひたすら使い続けて来たサロモンスピードクロス3。
    相当な悪路もしっかり路面をグリップし、絶大な信頼を置いている。
    今回もその力を発揮してくれた。もちろん何度も滑ったが、危険な転倒にはいたらなかったし、他の多くのシューズが滑った
    厳しい下りでも多くはしっかりグリップしてくれた。

    このスピードクロス3は重量も320g?ぐらいあるし、昨今流行の0ドロップシューズと相反して、かかとにかなり分厚いクッションがあり、トレランシューズとしてはドロップが大きいシューズ。
    カットもランシューのようにローカットが多い中、くるぶしを覆うか覆わないかのローとミドルカットの中間のように深い足入れ、ふかふかと分厚いタンが装備された、必ずしも「ランシュー」よりではない、ごついシューズ。
    ソールのトレッドも、おそらく数あるトレランシューズになかでも最もトレッドパターンが荒く、粒高で一目でオフロード使用と分かる仕様のシューズ。

    私が初めてトレイルを走った時のシューズで、その後様々なシューズを試して来たが、結局、過酷なオフロードでのフィット感、グリップ力、長時間仕様でのトラブルの全てにおいて、このシューズに勝るものは今日まで現れていない。
    そのため、私はより良いパートナー探しの浮気はもうやめて、このスピードクロス一筋にトレイルを楽しむと、最近決めている。
    徐々に時代遅れのシューズ感がにじみ出ており、ショップからも展示が減って来ており、絶版にならないか心配している。

    この私の相棒に何度も守られながら、厳しい雪見岳の下りを行く。長く急坂が続き、相当セーブしているにも関わらず、足に来始める。ゆっくりであっても下り続けてしまうと、どんどん大腿筋群に乳酸が蓄積され、その状態で走り続けると加速度的に筋肉がダメージを受けるので、時々乳酸を少しでも流すように、ゆっくり歩いたり、少し立ち止まったりして、この下りでのダメージが最小限になるように最大限尽くした。

    そしてやっとの思いで下り終え、計画通り、夜になる前に天子山地を抜け、朝霧高原の「麓エイド」に到着!
    エイド直前のフラット区間を軽快に走れた事から、「スタートは麓から」作戦は
    大方成功!

    「山の精霊が降臨」と「宮原コーラ」で軽快に通過した天子山地、実はゴール後にランナーズアップデートで知ったのだが、私は粟倉エイドを「75位」で通過、西富士エイドを「68位」で通過、そしてなんと「麓エイド」には「28位」でインしていた!
    実に「40人」を西富士エイドから抜かし、西富士エイド〜麓エイドの区間タイムは全体の25位!
    宮原さん、ガスありコーラ、本当にありがとう!!

    これから夜を迎える麓エイドには非常に多くのサポーターの皆さんが駆けつけており、声援を送ってくれる。
    これほど多くの声援を受けられるのも、日本最大のUTMFならでは。
    気合いが入る。

    さあ、レースはここからだ!!

    パート3へ 続く・・・
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    UTMF STY 初挑戦レポ1 前日、スタート〜西富士中学校エイド

    • 2014.04.27 Sunday
    • 20:34
    JUGEMテーマ:マラソン・ランニング 

    初めて挑戦する50km以上のトレイル大会。UTMF STY 91km。

    直前でコース変更があり、本栖湖エイドの後、本栖湖を囲む山脈を尾根伝いにぐるりと回るトレイルが追加され、
    当初86kmだったSTYは91kmに距離が伸びた。
    終盤に追加された5kmの山岳により、ゴールタイムは従来よりも遅くなる可能性は高い。



    2012年13年のリザルトをもとに、ゴールタイム14時間以内 目標順位100位以内を掲げていたが、
    この変更により、ゴールタイム14時間「台」、目標順位100位以内に若干修正。

    このSTY参加を今年の最大目標としていたので、会社にも無理を言って4連休を頂き、金曜の午前中に八木崎公園へ受付に行った。

    驚いた事に、河口湖周辺はこの次期桜が満開!
    横浜や東京はすっかり葉桜なので、位置的にはそれほど変わらない、むしろちょっと南?の河口湖が今満開とは知らなかった。

    UTMFがワールドシリーズになり、なぜ開催時期がこの時期に早まったのか、やっと理解した。
    八木崎公園の桜並木は大変美しく、河口湖の湖畔に咲き乱れる桜と、その向こうに雄大にそびえる富士山、
    UTMFが世界へ発信する日本代表のウルトラトレイルとして、最も最適な時期なのだと、このすばらしい景色を見て確信した。
    想定外の大雪などもあり、その辺のリスクマネージメントを考えると、かなりギリギリではあったが、それでもこの週末に開催する意味はとても大きい。
    海外からの参加者も非常に多かったが、参加者も、そのサポーターたちも間違いなくこのすばらしい「桜と富士山」と言う日本の象徴的な絶景に満足しているように感じた。

    受付でゼッケンとチップをもらい、すぐ隣で携帯品チェック。雨具、携帯、携帯に緊急連絡先が登録されているか、ライト、予備電池等、特に重要と思われる項目を抜粋してチェックしてもらった。
    会場は春の日差しに包まれ、とても温かく気持ち良かった。

    設営されたブースで販売されていた、富士吉田うどんとおにぎりを頂きながら、せっかくなのでUTMFのスタートを見て行く事にした。昨年3位のセバスチャンや、昨年の勝者 原選手をはじめ、多くの有力選手が会場に集まった。
    すばらしい熱気に包まれ、来年こそはこの舞台に立ちたいと思わされた。

    桜吹雪の中、富士山を望む河口湖から世界のランナーがスタートして行く景色は本当に美しい。
    スタート直後のルートも、最後の最後で一般道の使用が出来なくなったとかで、すぐに非常に狭い湖畔道路を通らなくてはならなくなったようで、主催者の皆さんは本当に苦労された事だろう。
    それでも無事に開催された事に感謝したい。

    スタートを見た私は、車に積んで来た自転車で、STYゴール後に仮眠を取るために予約した民宿の場所を確認しに行った。
    昨年までのゴール地点の大池公園のすぐ側の小さな民宿。
    計画通りにゴールできた場合、ゴール時間は深夜の2時〜3時になるはず。
    バスツアーの会社に問い合わせした所、ゴール地点に休憩所はあるが、仮設テントで多くの疲弊したランナーでごった返し、ゆっくり休める状態ではないとの情報から、安宿を探して確保しておいた。(これが後々本当に正しい判断だったと感じる事になる)

    宿の場所は八木崎公園からは2kmほどあり、多分満身創痍でのゴール後に2km徒歩での移動は困難と考え、持って来た自転車をゴール近くに施錠しておいて行く事にした。

    STYスタート前日は富士宮に、こちらもネットで探した安いビジネスホテル、ホテル24(にし)に宿泊。
    非常に奇麗で設備も新しく、4000円台で楽天ポイント活用で安く泊まれたし、大浴場に夜食ラーメン無料、朝食も結構しっかりそろったバイキング付きでとてもコスパの高い当たりホテルで、万全の準備。
    スタートの富士山こどもの国までは車で30分程度だった。
    前日受付をすませていたので、朝はゆっくりして、朝食は8時半にご飯とみそ汁をメインに多めに食べて、おかずはサバ焼きをほんの少々、内蔵負担を考えて食べ、ホテルを9時半頃出発。

    10時過ぎにこどもの国に到着。今日も快晴ですばらしい富士山の姿が見える。
    広々した気持ちのよい公園だ。
    しかし広すぎて、なんと公園入り口から大会会場までは歩いて15分以上かかると言う!
    受付しに行って、車に戻ってゼッケンの準備などして、再度スタート地点に戻った場合、合計45分かかると言う事か!!
    昨日受付しておいてよかった。
    既にホテルでテーピングもウェアも着込んで、後はスタートするのみまで準備は済んでいたので、ゴールへ運ぶバッグを用意して会場を目指す。

    確かに、遠い。。。
    富士山に向かってひたすら登って行くと開けた芝生の広場に会場が設営されていた。
    快晴にはとても気持ち良いスタート地点だが、雨だったら大変だろう。

    スタート地点、相変わらず知り合いは居らず。一人でうろうろ。
    このブログ村で知り合った、ブログ村友達のせーきちさんを探すも、何せ2000人前後の参加者とそのサポーターが居るので、見当たらず。
    しかし、スタート1時間前ぐらいについにせーきちさん発見!!

    いままでブログのコメントやFBで、沢山情報交換して来た私の一番最初のトレラン友達のせーきちさん。
    キタタンで大撃沈した事や、10km月例マラソンのベストタイムが秒までぴったり同タイムだったり、何かとご縁のあるせーきちさんには、何度も同じ大会に出て来ており、その度に「会場で会いましょう」と事前に言いながら、結局毎回ニアミスして、直接ご挨拶できていなかった。

    ずいぶん長い事、ブログを通じて交流して来ていただけに、なんだか初めて会うとも感じられないが、実際に握手を交わしてご挨拶したのはこれが初めて。とても嬉しかった。
    これから始まる大冒険に向けて作戦やコースの事など色々お話ししながらスタートを迎えた。

    鏑木さんの挨拶、レジェンド三浦氏の挨拶など、他大会とは一線を画す雰囲気と規模のスタート。91kmと言う全くの未知へのスタート。正直不安でいっぱいだった。今まで経験して来たトレイルの倍。初めての大会での夜間走。夜は相当冷え込むと言われている、龍ヶ岳や本栖湖周辺。どんな困難が待ち受けているのだろうと、不安一杯でスタートを切った。

    今回、未知の91kmと言う距離への挑戦、春先の2大会の中止などから来ている準備不足などを考慮し、より確実に完走する為に
    「スタートは麓から」作戦を立てていた。
    とくに、スタートから下り基調で走れてしまう30km西富士エイドまでをいかに抑えられるかが最重要課題を考えていた。
    この区間でオーバーペースになってしまうと、残り60kmでくるツケは10倍返し必至。
    天子山地も極力セーブして折り返し地点の麓エイドに、可能な限りフレッシュな状態でたどり着く事をまず第一に考えた。

    スタート直後、頭の中で念仏のごとく「抑えて、抑えて」と唱え続けた。
    スタートから3kmは公園内のクロカンコースを回ってから、本コースへ出ていく。
    ひたすら抜かれる。どんどん抜かれる。
    イライラしてくる。
    「俺だって、そのぐらいのスピードだせるさ。俺は抑えてるんだ」
    頭の中で念仏を唱える。

    でも、ひたすら抜かれるのは辛いしストレスがたまる。
    5km進んだ。まだまだ抜かれ続ける。
    コースは下り基調で飛ばそうと思えば余裕で4分代前半がだせそうな走りやすい林道。
    でもこれから90km走ろうと言うのにkm4分30を切ったりしたら、間違いなく自殺行為。
    計画では平坦や走りやすい区間は絶対5分30ペース以上に上げないつもりだった。
    必死にそれを守った。
    なかなかおなか周りの恰幅の良いランナーにまで抜かれた。
    「くそー見てろよ、天子山地、麓以降で全員絶対抜き返してやる」
    ひたすら抜かれ続けるストレスでこんな事を頭の中で思いつつ、我慢の走り。
    あっという間に最初のウオーターエイドだったので、ちょっとだけ水を足して15秒ストップですぐ出発。
    そこからは予想外のテクニカルなアップダウンの繰り返す鉄塔トレイル。
    自分は結構こういう感じのアップダウンは好きだ。
    粟倉のエイドまではどうも体が重かったが、徐々に体が軽くなってくる。

    「抑えて作戦」のおかげで、ほとんどフレッシュな状態で最初の大きなエイド、西富士中学校へ到着。
    このエイドの後、厳しい天子山地へ入る。気温はかなり高く、水分補給が大事と考え、まずはコーラを補給しに行く。
    「コーラください」とエイドスタッフにボトルのふたを開けながら、ボトルを渡す。
    「ガス抜きとガスありどっちが良いですか?」
    と聞かれたので、ふと顔を上げると
    わーっ!!
    なんとなんと、コーラのペットボトルを持っているのは
    私の憧れる、宮原 徹選手ではないですか!!!
    「み、宮原さんじゃないですか!!」
    思わず声が出る。
    「むしろガスありかガスなしが良いか、教えてください」
    と聞いてしまった。
    「どちらでも良いと思いますよ」
    との事なので、暑いし、ちょっとスカっとしたかったのでガスありをチョイス。
    あの宮原選手が私のボトルにコーラを継いでくれた。
    なんと縁起の良いコーラなのか。
    「このコーラを飲んだら、天子山地が平地に思えますね!」
    そう言って宮原エイドを後にする。

    日本には数々の名選手がいらっしゃるが、私個人として、アスリートとしてその運動能力が最も数値的に高い選手は
    宮原選手ではないかと、あくまで個人的に勝手に思っている。
    宮原選手はあまり多くの大会には出ない。しかし、狙った大会は非常に高い確率で制しているように思う。

    ウルトラにも出てこない。でも、それはアスリート視点から見て、私にはすごく納得できる。
    ウルトラの過酷さは、時に選手生命にまで影響を及ぼす。膨大な準備を必要としながら、天候や内蔵トラブルであっけなく終わってしまう難しさもある。非常にハイリスク、ハイリターンな一種の賭けであるように思う。
    30〜50kmのレースは、走る事でトレーニングにもなるし、ある程度純粋に練習努力が結果につながってゆく。
    そうした背景からも、宮原選手がウルトラになかなか出てこないと言うのはアスリート視点で非常に理解できる。
    みんな宮原選手にUTMFを走ってほしいと期待しているに違いない。
    スカイレースであの伝説キリアンと最後まで互角に渡し合った日本人は宮原選手しか居ない。
    一ファンとして、世界中のキリアンはじめ、トップランナーが集まるUTMFで何時か宮原選手の走りを見てみたい、と言う気持ちは確かにある。
    いや、出るのが見たいのではない。宮原選手には出るからには華麗に優勝する所が見たい。私は宮原選手がボロボロになってリタイヤする姿は見たくない。

    最近もアメリカ?の非常に大きなスカイレースを制したし、富士登山競争でも圧倒的な強さで優勝している。
    美しいフォームで流れるように走り抜けるスタイル、どんな人にも紳士な姿勢のお人柄、日本のトップランナー皆さん尊敬してやまないが、その中でも特に私個人が憧れてやまないのが宮原選手だ。

    その宮原選手にコーラをこのSTYと言う大舞台でして頂き、テンションMAXに。

    しかーし!!
    このガスありコーラが、エイドアウトしてすぐに飲み口からぴゅーぴゅー噴水のように飛び出し、ウェアからバックまでコーラまみれに!!この処理で若干タイムロス。
    宮原さーん、やっぱ、ガスあり駄目ですよ〜(笑)

    しかししかし、この宮原コーラの効果は本物だった事が、最大の難所である天子山地で発揮されるとは、この時はまだ知らなかったのである。

    パート2へ続く・・・

     
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    STY 無事完走、結果に大満足!

    • 2014.04.27 Sunday
    • 04:24
    人生初の50km超トレイル UTMF STY。
    本当にキツかった!
    本栖湖エイド以降、体調急変、吐き気とジェル系を一切受け付けなくなり、食べれず飲めず。
    鳴沢では完全にグロッキーになり、しばらく動けず。
    最後の五湖台の下りで大腿筋群が壊滅し、階段一段降りる度に、魔裟斗にローキックを入れられるような激痛と戦い、何とかゴールへたどり着きました。

    UTMFランナーも終始沢山いたので、全く自分の順位が分かりませんでしたが、ゴール後調べてビックリ??

    なんと30番台前半!
    14時間台でゴール出来ました!
    本当に今までの人生で一番苦しい体験をしましたが、間違いなく一生の勲章になりました。

    ゴールアーチをくぐる瞬間は涙が溢れました。

    しばらくは回復に努めます。
    あー、明日仕事行けるかなあ(-_-)

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    UTMF スタート!

    • 2014.04.25 Friday
    • 20:58

    大雪やコース変更など、大変な苦労の中開催されたUTMF2014
    主催者、スタッフの皆様に感謝です!


    セバスチャンや原選手が勢いよく飛び出して行きました。




    河口湖大橋を渡り、168kmの大冒険が始まりました!

    私は全く試走出来なかった為、少しでもSTYのコースや山の感じを見ようと、受付を完了後、河口湖から本栖湖エイド、竜が岳出口、麓エイド、西藤中学校を車で視察し、富士宮のビジネスホテルにチェックインしました。

    竜が岳出口


    本栖湖エイド。ここで死んでいてはならないと痛感。本当に長い旅です。
    ウルトラの皆さんは、満身創痍でここに入ると思いますが、最後の踏ん張りどころですね。

    明日はいよいよ自分の番。
    怖いけど、こんなドキドキは、子供時代依頼。
    まだまだへっぽこだけど、今までで一番走れているはず。

    最後まで頑張ろう!


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