スポンサーサイト

  • 2017.03.10 Friday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -

    モンブランマラソン ウルトラ82km レポ9 突然のノックダウン

    • 2015.08.14 Friday
    • 18:01
    JUGEMテーマ:マラソン・ランニング
     
    60km地点Le Tour のエイドを91位で通過し、コース中最も標高の低い約15kmを進むLes Bois までの区間。
    私はこうしたミドルからロングでの走れるフラット区間をしっかり走り、順位を上げるということを信条としてきた。
    エイドをスタートすると、次々に前を行くランナーを抜いた。

    少なくとも7名はパスし、順位は85位前後まで上がっていたはずだ。

    「家族に良いところを見せたい。」
    「せっかく大金をはたいて、はるばるやってきたのだから、目標を大きく更新して達成したい」

    頭の中にはそんな欲望が芽生えていた。
    「行ける、もっと行ける」
    気が早った。 それまで感じていた暑さを忘れ、ペースを上げた。
    フラスクのドリンクを飲むと
    「おえっ!!」 ものすごく甘い。

    ケヴィンが水に混ぜるスポドリタブレットの量を間違えてしまったようだ。
    いや、自分の伝え方がまずかった。 とにかく甘すぎて飲めない。
    でも飲まないと。 本当はもっと飲みたかったが、ちびちびと含む程度にしか飲めなかった。
    運悪く、標高が低く沢の水を汲めない。
    これが高い山ならいくらでも沢があり、水を足して薄められた。
    Le Tourのエイドに入るトップランナー、そして後半がLes Boisのエイド。とにかく暑かった。

    勢いは徐々に消えて行き、逆に苦しくなってくる。 空腹感を覚え、慌てていろいろ食べようとするが、口に入れると吐き気を催した。 まずい、これは良くない兆候。
    立ち止まり、なんとか食べられそうなジェルや、シリアルバーをかじった。
    急激にパワーが失われていった。 何か口に入れても、飲み込むことができない。
    最も走れるはずのセクションは、地獄と化した。
    目が回り出し、まっすぐ進めなくなった。
    危ない。これば危ない状態だ。

    沿道で応援する人に「エイドまであと何km?」 と尋ねる。
    「もうすぐだよ!1kmあるかないか!」
    その答えは健全な状態なら嬉しい知らせのはず。 でも私には1kmがとてつもなく長く感じ、たどり着けない気がした。

    その場に座り込み、しばらく動けなくなった。
    ハンガーノック、いや熱中症?脱水? いや、すべてのように感じた。
    頭がグルングルンして、立ち上がると倒れそうだ。
    ジェルをくわえてみる、吐きそうだ。
    でも無理やり飲み込んだ。

    「進まなくては、とにかく歩いてでも進まなくては」
    トボトボと老人のように歩く。 どんどん抜かされ始める。

    「まだか、エイドはまだか」
    「エイドはどこですか?」
    また沿道のサポーターに尋ねる。
    「もうすぐそこだよ500m!!」 彼は私を励ますためにそう言っている。
    でも私はその答えに腹が立った。500mがとてつもなく遠く感じたからだ。
    「500mも進めない!!」 またその場にへたり込んだ。

    座り込んでも激しく打ち続ける鼓動が耳に「ドクンドクン」と響く。
    手が震えている。 ジェルを開ける握力がない。
    一つのジェルを開けるのに2分ぐらいかかった。
    吐きそうになりながらジェルを飲み込む。
    このジェルを飲まないと、あと500mのエイドにたどり着けない。。。
    しばらく座り込み、なんとか歩き出してフラフラしながら進んだ。
    トボトボ歩いていると、広い草原の向こうにエイドのテントが見えてきた。

    息子と相方がその広場で楽しそうに遊んでいるのが見えた。
    「あそこまでいかなくては」
    必死に歩いたがなぜか斜めに進んだ。
    「だめだ、このエイドで止まるしかない、このまま進むのは危険だ」

    息子が私に気づいて走ってきた
    「パパ!どうじょ!!」
    また、すっかり生ぬるくなったコーラのボトルを渡してくれた。

    いつもなら、それでも喜んで飲んだが、その余裕さえなかった。
    「ごめんよ、パパ具合が悪いよ、せっかくだけどあとで飲むからね」
    息子は私の隣を歩いてエイドまでサポートしてくれた。 エイドの椅子にへたり込んだ。

    「水を、水をかけてくれ」 エイドスタッフに頼んだ。
    頭が茹で上がるように、脳が膨張しているような感覚だった。
    すぐに靴を抜いで、全身水を浴びた。

    ドクターが私の様子がおかしいのに気付き、すぐに近づいてきた。
    「具合が悪いですか?」
    「だめです、おそらく熱中症、脱水、ハンガーノックです。何も食べられないし、飲めない。吐きそうになる」

    すぐに隣にあったマッサージテーブルに導かれ横になった。 みじんもエネルギーがなかった。
    血圧を測り、最悪の状態ではないことは確認できた。
    息子が心配して、コーラやオレンジを持ってきてくれた。
    なんとか口に含むが、飲み込むのが本当に辛い。

    でも頭は冷静で
    「とにかく水分と糖分をとればまた動けるようになるはず、なんとか補給できるものを口に入れないと」
    そう思っていた。
    いろんなものを口に入れてみて、喉を通りそうなものだけ飲み込んだ。
    どんどん時間はたった。 しばらくすると今度は寒くなり震え始めた。
    脱水の症状だとすぐわかった。 脱水になると、寒気を催す。

    ドクターが砂糖水やスープを持ってきてくれるので、必死で飲んだ。
    オレンジをゆっくり3かけ食べて、コーラをコップ2杯のみ、3枚ポテトチップスを食べた。
    まだ頭はグルングルンしたが、靴を履き、装備を着用してスタートする決意をした。
    45分以上は経っていたと思う。 目標の100位以内は絶望的になった。

    そしてそれを狙おうという気持ちも消え去った。
    でも「とにかくゴールしたい」その想いだけは消えなかった。

    「くそっ!こうなってはいけないとずっと思い続けていたのに!大きなストップをしない慎重なレースをしなくてはいけなかったのに!」
    頭の中で自分の愚かさを悔やんだ。

    Le Tourのエイドはじっくりとエイドストップし、補給をしてアイドアウトしなくてはいけなかった。
    私はいつも50〜60kmのレースをメインで走り8〜10時間で出し切る経験がほとんどだった。
    結局今回も同じ走りをしてしまったのだ。 思えばエイドストップでの食事はほとんどしていない。
    100位以内が狙えると想い、冷静さを失った。
    家族にいいところを見せたいと、欲が出た。
    気持ちばかりが先行し、冷静な補給、ペース配分を見失っていた。
    完全に自分のミスだと気がついていたが、もう取り返しはつかない。

    でも、まだ出来ることがある。 それはゴールすること。

    頭は悔しさでいっぱいだったが、息子はこう言って送り出してくれた。
    「やった〜パパ元気になったよ〜!がんばれ〜!!」
    相方にも謝った。
    「ごめん。もっといいところ見せたかったのに、ダメだった。」
    「十分頑張ってるよ。ゴールで待ってるよ」

    ポンコツおやじの唯一かっこいいところを見せたかったのに、ポンコツはやっぱりポンコツだ。
    そう思いながら、やっとの思いでLes Boisのエイドを後にした。
    次のエイドはシャモニーで有名な氷河列車の終点「モンタンヴェール」7km先だ。
    モンタンヴェールまでは傾斜はきつくないものの7km登り続ける。

    とにかくオーバーペースにならずに淡々と動き続けられるペースで進んだ。
    だんだん日が傾き、夕暮れが近づいているのがわかった。
    残りあと約16km。
    長い長い戦いが始まる。
    にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ にほんブログ村
    にほんブログ村 アウトドアブログ トレイルランニングへ にほんブログ村
    ワンクリックありがとうございます!励みになります!!


     

    スポンサーサイト

    • 2017.03.10 Friday
    • 18:01
    • 0
      • -
      • -
      • -
      コメント
      コメントする








          

      PR

      calendar

      S M T W T F S
          123
      45678910
      11121314151617
      18192021222324
      252627282930 
      << June 2017 >>

      ブログ村ランキング

      ブログランキング参加中!ワンクリックお願いします!

      amazon.com トレイル

      Wet & Madならコレ

      カラビナ&iphone耐衝撃

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      recommend

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM