Vibrum HongKong100k レポ3 終盤

  • 2016.02.15 Monday
  • 00:16

70km地点の第7エイド、ビーコンヒルを出ると、大瀬さんのアドバイス通り、硬い急な階段の下りが続きます。
ここで完全にナイトランへ突入。

ギリギリまでライトを準備しなかった欧米のランナーを抜き返します。

ライトは基本まだ暗くなるちょっと前に用意したほうがカバンから物を落としてなくしたり、上下の向きを間違えたりしにくいはずなので、よりベターだと思います。
漆黒の闇の中で装備を準備するのは以外と手こずったりします。


第7エイド Beacon Hillからは一旦下り、第8エイドまでロード区間が多い。

この区間も結構走れる区間は多く、足が疲労していきます。。
下り切ると、ロードに出て、しばし暗い2車線のロードを登らされます。
この辺はお猿さんがいっぱい。
ですが、みんなおとなしく、襲ってくるようなことはありません。

だいぶ食欲が落ちてきています。ジェル系の甘さに飽きてしまい、せんべいを探します。
のり塩せんべいを見つけて2枚バリバリと食べます。

ランナーによると思いますが、咀嚼をしないと唾液や胃液の分泌が悪くなり、食欲の減退や消化不良につながる場合があるそうで、「噛む」ことで脳に刺激を与えることも必要と話を聞きました。
そんなわけで、わたしは「パリパリ系」の食べ物がとても好きなので
「柿ピー、せんべい」をロングでは持つようにしています。

柿ピーは以外とカロリーがあり(小袋一袋で200kcal前後)、それでいて重量が軽く、さらに塩分が補給できますし、せんべいも元は米なのでそこそこエネルギーと塩分が補給でき、「ばりばり」という刺激が食欲につながる気がします。

この辺まで来ると前後のランナーの間隔がかなり広くなり、単独走になることもしばしば。
この辺りで一緒になるランナーとはレベルも均衡しているので、離されてもエイドで追いついたり、逆のパターンもあり、抜きつ抜かれつの我慢大会になります。

ビーコンヒル手前から、登りではわたしが速く、下りでは向こうが早い、かなり絞れたアディゼロで走るロード系のランナーとずっと抜きつ抜かれつします。

相変わらずの下りの弱さは健在。弱いというか怪我や故障、終盤に下りの足が終わることが怖くて攻めれないのです。
下りには少なからず大腿四頭筋の強さが求められるはずですが、自分はそこの筋量が明らかに足りていません。
基本平坦と、登りで稼いでいくタイプです。

いよいよ終盤に入り、内臓がおかしいサインを出し始めます。
そう
「おならタイム」
の始まりです。

わたしは食欲が減退し、腹が張ってきて「おなら」が溜まってくると
いよいよロングトレイルで最も難しい時間帯に入ってくることを示します。だいたい10時間以上走り続けるとこの症状が出始めます。ハセツネや奥久慈はその直前の9時間台で終えることができるので、自分の中ではミドルレンジ、それを超えて、このおならタイムを超えるレースがロングレースと勝手に位置付けています。
これをできるだけ回避するために、大好きなコーラも極力最小限にするように変えました。
炭山系はシュワっとして目が覚めて爽快なのですが、腹で炭酸が膨れてしまうと腹筋が入らなくなり、フォームが崩れ体幹が使えなくなって足のダメージが増えます。

ハセツネでも後半になると暗闇の山の中から「ぶー!」
とおならの音だけが聞こえて、その少し後に香ばしい香りが漂ってくることがよくあります。
おそらくロングでこの症状が出る人は少なくないはずです。

ちなみに大瀬さんにそういう経験があるか?と聞いたら「あまりない」との回答。
内臓トラブル経験は少ないそうです。やはりその辺りの強さもウルトラの適性があるか否かのバロメータとも言えそうです。

このおならタイムは自分の場合「ガスター」での対処はNGです。
ガスターは下痢や吐き気を強力に「止める」効果があるため、おならもせき止められてしまう可能性があります。
ガスがどんどん溜まってしまうとお腹がパンパンになり、本当に苦しくなり全然走れなくなります。

なの出最善の解決策はとにかく「出す」
後ろにいるランナーの皆さんには申し訳有りませんが、だせるだけターボブースターを噴火させ続けます
「ぶおーっ!」
とでかい屁が出ると、明らかにお腹の張りが減って楽になり
「よっしゃー!」
何て声が出てしまったり。。。

だいぶ空腹感が強くなり、次の第8エイドでは絶対にしっかり補給が必要です。
甘いもの、冷たいものがもう食べたくないので、フラスクにはホットチョコレート+砂糖たっぷり、と念願のカップラーメンを食べると事前に決めておきます。

そしてやっと第8エイドに到着。
ここでは装備チェックがありました。
サバイバルブランケットと携帯をチェック。
問題なくパス。

そしてすぐにカップラーメンをオーダー。
すでに半分茹でてあるようで、再度熱いお湯を入れてすぐに出てきます。
この後最もきつい山間部に入るので、無理やりにでも食料を入れる必要があり、必死に貪ります。
しょっぱい温かいスープが染み渡ります。
ロングトレイルでは後半は温かい補給が重要です。真夏のモンブランマラソンでさえ、完全グロッキーなわたしを救ったのは温かい蜂蜜入りの紅茶でした。

カップラーメンは半分ぐらいでやはり食べるのが苦しくなってきますが、頑張って3分の2は頑張りました。
フラスクにはホットチョコレートを砂糖たっぷりで。

おそらくここでのこの補給+後少し行動中に食べることができればゴールまでたどり着けるような気がしました。
ここのエイドには自分以外4、5人しかおらず、ほぼ同時にウクライナのランナーエイドアウト。
彼は昨年も走ったそうで
「こっからビック3だぜ」
と最後の三つの山が最も厳しいと教えてくれました。

針山、草山、大帽山がラスボスビック3。
この第8エイドからはこのウクライナのランナーと、下りで抜かれるアディゼロの香港ランナー、そしてなぜかライトを持っていない様子のマレーシア系のランナー3人と抜きつ抜かれつの激しいバトルに。

第8エイドから少しロードで、ウクライナのランナーとライト無しのマレーシアのランナーが先行し、わたしはそれに着いていけない。というか、着いて行こうとも特にせず、淡々と自分のリズムに集中。
ここからは非常にきつい階段が連続し、グロッキーランナーも何人かかわします。

この辺の山からは見下ろすように香港の夜景が見えて美しい。
しかし風除けのない稜線は依然として風が強く、かなり冷え込んできています。
バフで耳を覆い、首にもバフを巻いて、風が強いところでは頰まで覆いました。

草山までは結構ロードの急登がつづき、ここでウクライナのランナーに追いつき、そのままかわします。
カップラーメンのおかげでエネルギーが復活し、まだまだ足が前に出る。集中力もしっかりしており、完走の心配は無くなりました。
ここからはいよいよフルスロットル解放し、上りはとにかく攻めました。

第9エイドでは再度ホットチョコレートをフラスクに補給しクッキーを2枚頬張りエイドアウト。

いよいよ最後のラスボス大帽山957m。
ここは最初の登り口が厳しかったが、途中は緩やかな上りも多く、ガンガンにプッシュ!

一度完全に離されたライト無しのマレーシアのランナーにも追いつき、アディゼロの香港ランナーも上りで抜かし、そのまま引き離す。さらに3名で連なって進んでいたランナーをまとめて抜き、ずっと食らいついていたライト無しのマレーシアのランナーもいつの間にかいなくなりました。

大帽山の山頂には電波塔や観測施設のような建物があり、ライトアップされていて目印となります。
ちょうじょうまであと1〜2kmの稜線ではついに横殴りの雨が降り出し、薄手の指長グローブでは手がかじかんできつい。
厚手に変えるか迷ったが、まだ攻めることができたのでペースを上げて冷えないように進みます。

頂上手前のロードの上りでも前に一人捉え、頂上間近では10mまで迫る。

頂上に着くと、たくさんギャラリーがいて
「さすがはウルトラトレイルワールドツアー!」
とちょっと嬉しくなります。

しかし、、どうも様子がおかしい。
頂上から下りに入るとどんどん人は増えるのだが、あまり応援してくれない。
自分の仲間しか応援しないのかな?

ぞろぞろコースを登ってくるのだが、横一列道いっぱいに広がって進んでくるグループもあり、正直非常に邪魔。
しかし、この大会を見に来る以外にこんな夜に山奥に来るのも不思議だし、一体何なんだろう?
そんなことを思いつつ、その後まさかあんなことになるとはつゆ知らず、ゴールを目指す。

大帽山山頂を越えたらロードの下り4kmでゴールと聞いていたので、ひたすらロードを下る。
しかし100km走ってきての約10〜15%はあろうかというロードの下りは拷問です。
やはり下り足は終了し、着地のたびにぶっ壊れそうな痛みが。。。
せっかくあと10mまで詰めたランナーからはどんどん離されました。

「まだか、ゴールはまだか」
大帽山の上りで全てを出しきり、確実にゴールできるという安堵感から集中力が切れ、前を追う気力がなくなりました。
最後の下りからは香港の夜景が美しく煌めいています。

しかし、どんどん人は増え、今度は車が渋滞している。
コースがどこなのかわからない。
それでも大半は応援の人たちだろうと思い、たくさんいる人々に
「コースはどこですか?」
と聞いても誰も反応しない。
何だ英語が通じないのか?俺の発音の問題か?

時々いるスタッフが必死に大声でコースを案内。
途中からなんかトレイルに入った。
「ん?ロードでゴールではなかったのか?」

よくわからない。でもマーキングがあるから会っているはず。
しかしよりによって最後の最後でハンガーノックの気配。
急に力が抜け始めフラフラしてきました。
でも、もうゴールなはず、そう信じてそのまま押します。
しかしもう力が入らず、下りも足が痛くて歩きが入る。

そんなこんなしていたら、引き離したはずのウクライナのランナーに抜かれてしまった!
彼も「こんなルート知らない」
と抜きざまに不安げでした。

なかなかゴールは現れなかった。
フラフラになりながら「まだか、まだか」
ゴールがもうあってもいいはずだと思い始めてからの1、2kmというのはとてつもなく長く感じる。

そしてやっと、やっとキラキラとライトアップされたゴール地点が見えてきました!
「やった!やっとゴールだ!」

時計はまだ14時間台!
この時初めて時間を確認。



ゴールにはカメラマンもまだたくさんいて、ゴールする前から自分の名前を呼んでくれていました。
防寒着を着込んでいたのでゼッケンも見えないはずだが、どうやってわかったのだろうか?
でもゴールで名前を呼んでもらえるのはとても嬉しい。
UTMFなどでは上位選手以外はゼッケン番号を呼ばれますが、後半のランナーさんの多くは「おつかれさまでしたー」と激励してくれるものの、名前は読んでもらえない。
応援する家族やパートナーもいつ来るかわからないし、やっぱり事前に名前を呼んでくれるシステムはゴールを盛り上げるには大事だとおもいます。

「やっと終わった!でも、なんかあっという間だった!」
14時間25分でゴール。
目標の16時間以内、ゴールドアワード獲得!

16時間以内でゴールすると、ゴールドアワードという金色のトロフィーがもらえます。
そしてフィニッシャーズパーカーも。
このパーカーがなかなかカッコ良いです。

私のレース経過データ

第一エイド133位通過、中間エイドには117位でインし、135位でアウト。ここで最も順位を落としています。
しかしその後のジーウェルキャンプ第6エイドで102位、最後の第9エイドからゴールまでで4名抜かし、滑り込みで目標の総合100位以内97位で最後の最後で二桁順位へ乗せることができました。

チェックポイント  通過時間   区間経過時間           通過総合順位    区間距離    区間ペース
East Dam 01:09:23 01:09:23 09:09:28 133 124 11 6:18 min/km
Wong Shek 03:19:34 02:10:10 11:19:39 125 115 17 7:39 min/km
Hoi Ha 04:20:52 01:01:18 12:20:57 116 106 8 7:39 min/km
Yung Shue O 05:24:53 01:04:00 13:24:58 110 100 9 7:06 min/km
Kei Ling Ha In 06:35:27 01:10:34 14:35:32 117 105 7 10:04 min/km
Kei Ling Ha Out 06:51:00 00:15:32 14:51:05 135 120
Gilwell Camp 08:53:58 02:02:58 16:54:03 102 93 13 9:27 min/km
Beacon Hill 10:09:42 01:15:44 18:09:47 107 96 8 9:28 min/km
Shing Mun Dam 11:18:06 01:08:23 19:18:11 104 93 10 6:50 min/km
Lead Mine Pass 12:48:21 01:30:15 20:48:26 101 91 7 12:53 min/km
Rotary Park 14:25:18 01:36:57 22:25:23 97 87 10 9:41 min/km

初めての100km、初めてのウルトラトレイルワールドツアー参加としては、現状としてはとてもうまく組み立てることができたと思います。でももし次回、狙って走るなら13時間代は狙っていける気がします。

ゴール後はすぐに着替えて、ゴール地点で販売されていたおかゆをいただき、ドロップバックを回収して、現地でサポートしてくださっていた千秋さんに連絡をし、ツアーの皆さんの安否を確認、1名前半に故障で残念ながらリタイヤされましたが、ホテルに無事帰還され、その他の皆さんも着々とゴールを目指していることを確認して、ゴールでしばらく待機します。

その中で、最後の山の下りの大渋滞の原因がわかります。
どうやら香港に初霜が降りるという予報を聞き、それを見るために多くの住民が登ってきているのだそうで、道が大渋滞してパニック混乱状態となっているようです。このギャラリーたちがこの後大変なことになってしまいます。
あれが全て応援のギャラリーだったら、まさにワールドツアーとしてふさわしいゴールだったのですが。。

この段階では特に問題なくレースは進んでおり、一旦ホテルへ戻ることに。
大会ブースで送迎バスチケット20HKDを購入して送迎バスでツエンワン駅まで出て、そこからタクシーで帰ろうと思いましたがタクシーが全く捕まりません。なので地下鉄で帰ることにします。

いつもレース直後は内臓が弱っていて、なかなか食欲がわきませんが、ホテルに戻って風呂に入ると、激しく腹が減ってきたので、近くのセブインイレブンでカレー弁当やお菓子を買って温めて食べます。
「うまい!!」
香港のコンビニカレーはうまいです。

この後、最後の大帽山が大変なことになるのですが、既に色々なサイトやブログで記載がありますので、こちらでは割愛させていただきますが、とにかくどんな低山でも山は舐めてはいけないということ、装備、必携品の重要性を再確認、しかしながらきちんと装備していたおかげで、ツアーの皆さんも最終的には無事下山、フィニッシャー扱いとなり、天候は厳しい大会でしたが、素晴らしい香港遠征となったのでした。

とにかく山に入るときはサバイバルブランケットは必ず持ちましょう!今回もそのブランケットのおかげで大事を逃れたランナーがたくさんいました。

大会後は香港島を巡ったり、大会のパートナーショップのレーシングプラネットを訪問したり楽しみました。



香港はトレイルランブームで、ショップも街中でよく見かけますが、ゼッケンなどの受付会場であるレーシングプラネットも品揃えはなかなか豊富です。

また来年も挑戦してみたいですね!


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  • 2017.11.21 Tuesday
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