激動の夏が終わって

  • 2016.09.02 Friday
  • 06:47

 

こんなに長いことブログを更新しなかったのは、もしかしたら私がこのブログを書き始めて以来かもしれない。

描きたくなかったわけでも、忘れていたわけでもなく、この夏はブログに時間を割くことは全くできなかった。

むしろ書きたいことは山ほどあるに書けなかったことが残念だった。

 

あまりに沢山のことがありすぎて整理しきれないが、まずは少しでも早く書いておきたいことから、書いていこうと思う。

 

初めて企画したUTMBツアーは、当初の予想をはるかに上回る反響で35名も集まっていただいた。
そのため当然ながら準備作業も大変で、TDSのために早く入られる方、短期間の方、長く滞在する方、多様なスケジュールをミスなく手配するのは簡単では無い。
だけど、ここを一つでもミスると、せっかく楽しみに来てくださる方の旅を台無しにしてしまいかねないので、遅延や欠航などの対処も考慮しつつ、準備。

この6.7.8月だけで100名以上のお客様のツアーを手がけ、こんなに頑張った三ヶ月は無かっただろう。

今UTMBを終えて、ホッと方をなでおろしているところだ。

そして、私自身もCCCに参加した。

UTMBの盛り上がりは、やはり別格である。
今や魅力的な大会はどんどん増えて、コースの難易度としては決して最難関の大会では無い。

しかし、間違いなくウルトラトレイルと言うジャンルを確立し、一気に世界に広めたのはこのUTMBであり、トレイルランの世界において、不動の地位を築いている。

欧州のバカンスシーズンの最終週末と重なる事もあり、一般観光客も含め、フランスシャモニーはMAXの集客となる。
CCCは、モンブラントンネルを抜けた先、イタリアのクールマイヨールをスタートし、スイスのシャンペを通過、フランスのシャモニーにゴールする101km.獲得標高6100m のコース。
自らの足で三カ国の国境をまたぐ、壮大な旅だ。

6月に走ったモンブランマラソンは82kmで獲得標高6200mだったので、難易度としては同等と予測した。

ただ距離が約20kmも長い事から、モンブランマラソンの完走タイム17時間フラより1〜2時間は余計にかかるとなんとなく感じていた。
私はレース計画を立てない。予定通過時刻なども決めない。心拍計もつけないし、時計も付けるけれどほとんど見ない。

ただスタート前に距離と獲得標高、コースプロフィールをなんとなく眺め、何となく、これぐらいでゴールでは無いだろうか?と根拠のない予測を立てるのだが、これがなかなかの精度になりつつある。

 

CCCスタート直前まで自分のレースに集中する時間はなかった。24日朝6時スタートのTDSの送迎に朝3時半起きでおこなったり、スイススタートのOCCの送迎も早朝、受付の同伴などひたすらシャモニー周辺を走り回っていた。

 

自分のレース参加はあくまでおまけ。ツアーの皆さんがきちんと全てのレースに参加できて、安全に帰ることが最優先。

 

無事全員がスタートゲートに並び、私はCCCのウェイブスタートの最前列だった。

その時まで知らなかったのだが、ゼッケン3000番台がITRAポイントランキング上位者らしく、なんと同じ3000番代にはあの上田瑠偉くんもいた。

 

クールマイヨールのスタートに並んでいると、なんと瑠偉くんが声をかけてくれた。

そう、ここCCCにくる約1ヶ月前、瑠偉くんのスペイン・スカイランニング世界選手権 Epic Trailのツアーも帯同して、ヴァーティカルとスカイの総合で争う「コンバインド」で瑠偉くんが世界2位銀メダルを獲得するのを間近で見ることができた。

 

そんな流れもあって、こんなおっさんランナーでさえ、瑠偉くんは声をかけてくれるようになったのである。

本当に嬉しいことだ。

 

今回のUTMBには家族も連れてきた。この先これほどの大きな舞台で走れることはあと何回あるかわからない。

できるうちに1回でも子供たちに自分が世界の舞台で走る姿を見ておいて欲しかった。

特に娘は昨年のモンブランマラソンには一緒に来ることができなかったので、最初で最後のつもりで連れてきた。

 

娘はお年頃で思春期になり、会話も一緒に過ごす時間も非常に少なくなった。

こうして私のレースを見に来るのも、もしかしたらこれが最後かもしれなかった。

 

すごくつまらなさそうにするかもしれないと思っていたが、期待を裏切り、娘はシャモニーでの滞在をとても楽しそうに過ごしていた。その証拠にいつもより私とよく話したし、2人で一緒にカレーを作ったりして、普段ではあり得ない体験をさせてくれた。

 

本人は全く走る気はないようだが、周りの日本人たちが頑張って走っている経過をえらく気にかけていて、TDSのレース中などもなんどもライブトレイルの情報を調べろと私に言ってきた。

思いがけず強く興味を持ってくれていることに、密かに嬉しかった。

 

いよいよCCCスタート地点にあのUTMBのテーマソングが流れる。

ここイタリアをスタートし、スイスを通り、フランス シャモニーにゴールする101kmの壮大な旅が始まる。

このトレイルランニングという世界において、頂点の大会はUTMBだが、その約6割の同じコースを走るCCC。そしてこの距離を得意とする世界のトップランナーが集まるこの大会。私が挑戦するスポーツの大会として、私の人生の中で最も大きなチャレンジであることに間違いなかった。

 

このブログを書き始めたきっかけ、いつか、いつの日かUTMBを走ってみたい。

その舞台の入り口に、私はついに立ったのだと感じていた。

あの激しい挫折の中、引きこもって部屋で一人PCの画面で眺めていた鏑木さんが走るUTMBの世界。

あの時唯一興味が湧き、すごい世界があるもんだな、とまさか数年後に自分がその舞台にやってくるとは夢にも思わなかったあの場所に、今立っているのだと、その現実を噛み締めようと必死だった。

 

そしてその最高の舞台で大切な家族が私の旅立ちを応援してくれている。

最高に幸せな瞬間だった。

夢のような気持ちだった。

 

ついに来たんだ。

 

スピーカーと全てのランナーから大きな声でカウントダウンが始まる。

「チンクエ!クワトロ!トレ!ドゥエ!ウノ! パルテ!!!!」

 

ヘリコプターが撮影するイタリアクールマイヨールの町から、1900名のランナーが一斉に飛び出して行く。

 

「ああ、ついに、ついにスタートした!」

同時にどこか寂しさも感じていた。いつの日かと憧れていた瞬間が今やってきた。

でも、もうそれがやってきたということは、その憧れの時間の終わりが近づいているということでもある。

ああ、永遠に続いていてほしい。終わらないでほしい。こんな幸せな時間を、終わらせないでほしい。

 

そんな思いも交錯した。

自分はいち早くゴールにつけるように頑張りたい、でも同時に早くゴールしてしまうのはこの夢のような時間を短くしてしまうような気持ちでもあった。

 

空は引き続き真っ青に快晴だった。

クールマイヨールの町をぐるっと回るように、また町の中心を通っていく。

凄まじい完成と拍手。まさしく世界最大のイベント。鳥肌が立つ。

うれしい。ほんとうにうれしい!ここを走れることが。

 

町を抜けると早速山に向かってしばらく峠走となる。

コースの試走はしていないから、この登りがどれぐらい続くのか皆目見当がつかない。

ストックをどのタイミングで出すかもわからない。

でも、なんとなくこの先の雰囲気で早めにストックを出し、ロードの登りでもストックを使い始めた。

 

バンバン抜かれてゆく。願わくば100位以内を狙いたいと思っていたが、早々にそれは非常に難解な目標であることがわかる。

自分の調子が悪いのか、周りのレベルが高いのか、その両方の可能性もあった。

正直練習は全くできなかった。

でも、それは怠けたわけではなかったから、気持ちの整理はついていた。

この現状でのベストを尽くそう。

 

しばらくして森の中へコースは進路を変えて、いろいろトレイルに入ってゆく。

さあ、いよいよ始まった!

CCC101km の旅が!

 

つづく

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  • 2017.11.21 Tuesday
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