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    インドネシア BTS ULTRA 勝った!

    • 2017.11.19 Sunday
    • 21:23
    2017 4 NOV Indonesia BTS30km 520 started 1156m Denivele


    レースレポ 「勝利の女神はトイレの女神」

    10月19〜21日 フランス領 アフリカ地域のレユニオン島 グランレイドレウニオン 165km 総獲得標高9553m ウルトラトレイルワールドツアー を38時間44分で完走し、初マイラーとなった2週間後の11月4日、来年に向けたツアー視察の為、インドネシアのジャワ島 ボロモ・テンガー・セマル国立公園で開催されるBTS100ウルトラに出張して来た。

    本当なら70kか100kを視察を兼ねて走りたいところではあったが、流石に体が持たないと思い、30kmにエントリー。 エントリーの時点ではまだマイラーになれるかどうかわからないので、初100マイルの後、自分がどのような状態になるのか、どれぐらい消耗し、2週間でどれぐらい回復できるのか、予測もできなかった。

    100マイル後、過去経験がないレベルで足は浮腫んだものの、思ったよりダメージは少なかったように思う。 100マイル のレユニオン自体、65kで早々に強烈なグロッキータイムが来て、約1時間半がっつり休んだ事もあり、実は正直な感想は思ったより100マイル が長くは感じなかった。

    15分しか眠らなかったが、幻覚も幻聴も無かったし、追い込まれた状態は、前半の65kのリバースタイム以外は全く無かった。

    帰国後、インドネシア出発まで結果的に一切走らなかった。ひたすら我慢していた とんこつラーメンやケンタッキーなどを貪り、すっかりレユニオン以前までリバウンドしていた。

    BTSとはジャワ島最大の景勝地 ボロモ テンガー スメル国立公園の頭文字を取った名前で100マイル.100k 70k 30kのレースがありUTMBポイント対象レース。インドネシアで最もポピュラーなレースのひとつらしい。

    なにより、その景色は「圧巻」の一言。 超巨大な火山クレーターの外輪山、さらにその中に三つの2300mオーバーの火山が存在し、回りは火山灰の砂漠と言う、まるで月面を走るような荘厳で幻想的な景色の中を走る。


    インドネシアでもトレイルランニングブームは非常に盛り上がりを見せているそうで、急激に大会もランナーも増加しているそうだ。
    参加者は最も短い30kmが最も多く、約600名がエントリー、70kは500名、100kが100名、100マイルは60名だそうだ。

    11月4日 朝6時スタートの為、4時半に起きてスキヤキメシを作り食べる。ちょっと遅い食事だが、なるべく睡眠をとりたかった。

    スタート45分前にスタート地点に行くと既にかなり多くのランナーが集まっている。 スタート後800mぐらいで細いシングルトラックに入るらしく、すぐ渋滞するそうなので二列目に並ぶ。


    スタート地点がすでに標高約2200mなので、アップをすると明らかに酸素の薄さを感じる。 レユニオンでも2000m代には何度か登っていたので、何とかなるかな?と考える。

    インドネシアの国歌を聞き、カウントダウンされると、約520名のランナーが一斉にスタート! 地元らしきランナーがとんでもないスピードですっ飛んで行く。

    私も渋滞回避の為、結構なダッシュをかますと、いきなり心拍がヤバい感じになり、急いで落とす。 落とすものの結構キツく、また失敗したか不安になる。 すぐにかなり狭いシングルトラックに入り、外輪山の稜線を進む。走れる緩やかなアップダウンだが、走り続けるとかなり呼吸と心拍がきつくなる。

    スタートで猛烈に突っ込んだ数名は急ブレーキで戻ってくるが、前に4人ぐらい行った。 稜線から火山のクレーターに下る入り口を見逃し真っ直ぐ行ってしまい、ミスコース。

    後ろに続いていた4名に抜かれ8番手ぐらいで下り始める。 トレイルは日本のトレイルに近い柔らかい土のサーフェスだが、幅がめちゃ狭い。脚を一列に出さないとトレイルから出てしまう。追い越しはかなり困難な狭さだ。

    この下りの後、クレーターの底の平坦な砂漠を少し走りコース中最大の高低差約700mの急登が待ち構える。



    クレーターの平地は場所によって地面が砂地で非常に柔らかく、蹴ろうとするとパワーロスするので、なるべくしっかり面で着地し、蹴らずに膝をなるべく前にあげるイメージで進む。

    砂地の平地でも、どんどん追い上げてくるが、目の前にそり立つ外輪山の急な斜面をジグザグに登るトレイルが見える。あれはなかなかきつそうだ。


    平地で追い込みすぎるとあの登りで足が止まるだろうと思い、あえて追わずにマイペースを貫く。砂漠の平地で2人抜かし、外輪山斜面の急登へ突入。 予想通りのかなりの急登。登りで前に行っていた2名が急ブレーキし減速、淡々と交わす。

    10m前にかなり絞れた走れるランナーが一名、かなり若そうだ。このランナーは無理に抜かさず、ペースメーカーにしたほうがよさそうだったので、差を保ちつつ激坂を登り続ける。

    登りはどんどんきつくなり、腕を使ってクライミングしなくてはならない箇所が何度も出て来た。かなり心拍も上がっていたので、必死にセーブを心掛ける。

    前を行く、若い速そうなランナーも足取りはキツそうに見える。コースプロフィールで確認していたが、この急登を登りきって、また外輪山の稜線に出るが更に2.3kmは登り基調で2700mまで登るはず。そこが丁度約10km地点なので、そこまでは余裕を持って入ろうと決めていた。気持ちと脚には余裕が有るのだが、スタートからずっと2000mオーバーなので呼吸と心拍が上がっている。

    急登の最後で少し前と離れ始め、なだらかな稜線に入った。ここからは右手に美しいボロモ、テンガー火山が見え、後半走る砂漠の平坦が見える。 30kmという距離は、前半から突っ込むと持ちそうで持たない距離だと私は思っている。 何気に私は30km前後のレース経験は非常に多い。市川三郷トレイルや 桃太郎伝説扇山トレイル、八重山、陣場山などなど、おそらく30km〜50kmが最も沢山走ったレースの距離だと思う。だから自分のペース配分はこの距離クラスに関してはかなり把握できているつもりだ。

    緩やかな外輪山の稜線はトレイル両脇の木の枝などが覆い被さり、腕で枝を避けながら進む感じでは有るが、コース自体はかなり走れる。 緩やかな場所は走り、筋力に高い負荷がかかり始める斜度は、パワーウォークした。
    前の若者は一度視界から消え、かなり離される。

    しかし、淡々とペースを刻んでいると、再び彼の背中が見え始める。 10km地点の2700mのピークからは20km過ぎまで長い下りとなり、プロフィールで見た限りはかなり走れそうだった。しかも下りきってからボロモ火山の火口へ登る迄は約5km砂漠の平坦なので、約15kmは走り続けなくてはならない。

    私はここを勝負と考えていた。この走れる区間で潰れずに走り続けられるかどうかが重要と考えていた。

    前の選手に約10mまで迫り、2700mのピークを過ぎて下りに入った。 すると直ぐにマーキングのない分かれ道があり、右にカーブする道の方が広いが、細い道は直線で続いている。 どっちだ!?

    路面についた足跡を探すが、どちらもイマイチはっきりと足跡がない。仕方なく直進するが、トレイルはどんどん細くなり、かなり怪しくなる。一度引き返し、右に下っている道を行ってみるがやはり見える範囲にマーキングが無い。

    参った、一瞬で前の選手を見失った。 再度直進の道を進んでみるが、どんなに目を凝らしてもランナーらしき足跡はない。
    やはりこちらは違う。 決断し右に下る道を下りる。少し行くとマーキングが! あの分岐点につけてくれよ…。

    かなりタイムロスした。3分はウロウロしただろう。せっかく詰めた若者に追いつくことを半ば諦めた。

    仕方ない。もともとレユニオン後だし、結果を出すために来たレースでは無い。 気持ちを切り替え、とにかく自分のペースで進めば、まだ年代別やトップ10は狙える位置にいるはず。

    かなり走れる下りだった。気持ちよく下りをリズミカルに走っていると、突然左の茂みからさっきまで前にいた若者が出てきた。

    あれ!? どうも大きな花摘みをしたようだ。 ラッキー。私もロストしたが、前の彼にもトラブルが発生していたようだ。 そのまま抜かし下りを走り続ける。 しばらく行くと、 ガサガサっ! また左の茂みでインドネシアのランナーらしき選手が、「大きな花摘み中」…

    今日は花摘みたい人、やけに多いな…。 でもラッキー! 2人抜いたから私のカウントでは4ー5位のはず。 俄然やる気が出て来る。 快調に飛ばしていると、またマーキングが無い分岐が…。 またか!

    直進の道はかなり藪になりかけていて、あまりランナーが入って居なそうな気配だが、道なり。 左への下る道は、かなり人が通った気配だが、グーグルアースのコースGPSルートでは、稜線から右に下るはずで、左斜面を下る場所はなかったはず。もしかして70kや100kのコースなのでは?

    左に下るとマーキングがあったが、本当に左斜面に下るべきか、かなり怪しい。一度戻ると、せっかく離し始めたさっきの若者にまた追いつかれる。 彼は迷わず直進。 でも、やはりコースっぽく無いので、 「マーキングはこっちに有るよ!」と叫ぶと、こちらに戻って来た。

    私はマーキングの有る左斜面へ降りるルートにかなりの不安を覚えたが、とりあえず行くしか無い。

    若者を引き連れ、2人で下る。 ここまで抜きつ抜かれつしてきた2人なので、そこまで力に差はなく、後ろにピッタリ着かれる。どうやらコースはあっているようだ。

    くっつかれるのはかなり苦手だが、仕方なく自分のペースで下る。 なんども小さなゆるい登り返しがあり、そこは極力走って揺さぶってみる。

    何度か登り返しをプッシュして走ると、足音がやや小さくなり始める。下りの後の平坦をしっかり走らないといけないので、思い切ったペースアップは出来ない。だからジワジワと小さな登り返しを利用して徐々に差を広げた。

    長い走り続ける下りには、若干自信があった。なにしろレユニオンのあのMaidoからSans Souciの105kmからの約15kmのエンドレスダウンヒルで下り足は鍛えられている。あれは本当にきつかった。今までのラン人生で最もやられた下りだった。
    あれに比べたらスタート後15kmから始まる10kmの下りなど楽勝だ。

    実際、下りで足は問題なく軽快に下った。若者はジワジワと離れていった。 しばらく行くとロードに出て、急に路面が硬くなり衝撃が倍増。 100マイル 明けの足に異常が発生しないか、かなり心配だったが、大丈夫そうだ。

    折り返しの15kmあたりで、第2水エイド。コーラや食べ物も少しあったが、十分なジェルが有ったので、水だけフラスクに足して、直ぐにエイドアウト。 ここで5位と告げられた気がする。

    さらにロードで外輪山の斜面を下ると眼下にはランドクルーザーが巻き上げる灰の砂煙が立つ、広大なクレーターの砂漠が広がる。 下り切ると、火山灰が堆積した砂地の平地をボロモ火山まで約5〜6km程進む。

    砂漠は蹴るとパワーロスして進まないので、また蹴らずにすぐに反対の足の膝をなるべく高く引き上げ、あしラボの小野寺先生に伝授して頂いた、体重移動、着地点、体のねじれに気をつけて、とにかくフォームとリズム、呼吸を意識し前を追った。

    ロードから砂漠に入る頃、前半猛スピードで視界から消えたオレンジウェアの地元選手をロックオン。

    足取りがだいぶ重く見える。 砂漠に入ると、先行する選手たちの足跡がはっきりと見える。おそらく地元の選手だったはずなので、走りやすいラインどりの参考に、足跡をたどる。 砂漠は場所によって砂が引き締まっている場所と、フカフカに柔らかく沈んで進まない場所がある。 特に今日は昨夜の雨で、ラインによってはかなり走りやすい締まったラインが存在した。 ランクルの轍は走りやすいかと思ったが、意外とタイヤが砂を掘り起こし、柔らかくなっており轍はイマイチだった。

    ロックオンしたオレンジのウェアの選手に追いつくと、しばし後ろで観察。 回復に努める。彼を抜かせば4位なはず。
    だいぶペースが遅く感じたため、しっかり呼吸を整えて、一気に加速し引き離す。
    足跡は1人減り、2ー3人の足跡が見える。 前の選手の足跡のストライドと自分のストライドを比較しながら走る。 明らかに15-20cm私のストライドが上回っている。 だがまだ前にランナーは見えない。フラットな砂漠で見えないから、相当離れているんだろう。 でも、まだわからない。ストライドからすると、かなり減速している可能性がある。

    諦めずひたすらリズムを保って、腕をしっかり振って上半身で足を前に出すイメージで進む。

    と、カーブを曲がると突然前に歩いている2人のランナーを発見! いきなり見つけた!

    雰囲気としては、もう後ろは完全に引き離したから、歩いてもこの2人勝負だね、ぐらいの感じに見える。 「そうは問屋の下ろし金、日本のおっさんをなめんなよ」 そう喝を入れて、気付かれないように距離を詰める。

    20mぐらいまで迫って、1人が振り返り、「あっ!」と言う感じで2人揃って走り出した。 「この平坦で歩きが入っている時点でお前らの負けだ!」と、心の中で呟きジワジワと距離を詰める。無理に追ってこの後の最後の難関、ボロモ火山の登りで自分が潰れてはいかん。

    ジワジワと詰めて、遂に追いつく。 前の2人は、私の様子を伺うように3人横一列に並んだ。 私がペースを落とすと彼らも落とす。 「よーし、やってやろうじゃ無いか!」 闘争心に火がついた。

    この辺はフラットなようで砂漠のうねりがあり、ゆるいアップダウンが繰り返していた。 ゆるい登りで一気に加速してみる。 1人が遅れ、1人が食らいついてきた。 しばらく引っ張るがぴったりついてくる。 体も筋肉質で絞れており、走れそうだ。

    しかし、この選手バックパックはおろかボトル一つも持っていないのでは無いか? 必携品のレギュレーションを、完全に違反しているぞ?
    それを見ると、ますます負けたく無い気持ちになり、再度勝負をかける準備に入る。 しばらく引っ張るが離れないので、長いゆるい登りで疲れたふりをしてジワジワ減速し、前に出して見る。

    頭が左右に揺れて、一歩一歩必死に足を前に出している感じで、かなり消耗しているように見える。彼が前に出るとたちまち減速し始めたので、もう一回スパートを打ち込んだ!

    今回は前回より加速時間を伸ばし、自分の足を削りつつも、相手の足を終わらせるイメージでスパートした。 こっちもキツイが、お前はもっとキツイはず! そう心で叫びながら加速する。

    ジワジワ気配が離れて行く。しばらく加速し後ろをチラ見すると20m差ぐらい開いたが、思ったより粘っている。 ゴールまで後約8km。コースは砂漠のジープ道から左のボロモ火山に向けて斜面を登り始める。


    ここからボロモ火山の火口まで斜面をトラバースしながら登って行く。 遠目からは分からなかったが、激しくアップダウンしている。 次第に草一本ない雨で表面は硬いが、割れるともろく崩れる、今まで未体験の丘陵地帯に入る。まるで月面を走っているかの様な、今まで見たことのない、宇宙的な景色の中を走る。

    火が昇りかなり熱く、明るい黄土色の斜面の照り返しが眩しい。 この登りが実質のラスボス。超えたらまた砂漠を横断し、最後に起点であるゴールへ一気に登るだけだ。

    最後のエンジンに点火。フルガスでパワーウォークし、引き離しにかかる。 彼を離せば2位だ。表彰台が確実になる。 悔いのない走りをしよう。

    スタート前には想像もしなかった、まさかの表彰台が迫っていた。 ボロモ火山の登りの途中でカメラマンが写真を撮っていたので、前の選手との差を聞いてみた。
    「前とは何分ぐらい?」
    「君が一位。君が30kmのトップだよ!」

    … … 「え?…」 なぁにぃぃ!!

    まさかの!? いやいや待て待て、絶対に後1人いるだろう。騙されるな。カメラマンだから数え間違えもあるだろう。チェックポイントなら確かな情報があるはず。


    鵜呑みにせず、まだきっと前がいるつもりで進んだ。 ボロモ火山の火口に近づくと、コースはもはや道無き道、ボッコボコの砂礫層の斜面にマーキングを立ててコースに仕立て上げた前代未聞のテクニカルトラバースに突入した。

    波打つ斜面は表面だけ硬く、足を踏ん張ると崩れ落ちた。斜面の溝は雨で侵食され、深いところは1mぐらいの溝ができていた。
    下手なところに落ちるとケガをしかねない。

    右足は外足が、左足は内足が限界まで引き伸ばされ筋肉が引きちぎれそう。 もはや四つん這いでないとまともに進めない。 あまりにテクニカルで、全く進まない。 なんども足場が崩れ、滑り落ちまたよじ登るを繰り返した。

    走りたくても走れず、ただこの厄介な斜面に翻弄され、慣れた地元選手にまた追いつかれるのではないかと、不安になった。
    でも、もう振り返らなかった。 相手も苦しんでいるはず、兎に角前進あるのみ。そう信じて必死に進む。

    やっとの思いでこの地獄のトラバースを乗り越え、ボロモ火山の火口への階段の麓に辿り着き、チップチェックをする。

    「You are first of 30km!」
    やはり、私はトップだった!!
    マジかー!!
    まさかの、トップ!
    私のランの優勝歴は、出走30名くらいの こどもの国ハーフマラソン の優勝だけだ。

    まさか海外のUTMBポイント対象の、世界各地から参加のある520名スタートの大会で、トップになるとは夢にも思わなかった!!

    「もう2度とないかもしれないこのチャンスを、絶対逃してはならない」 急にプレッシャーがのし掛かる。

    最後の登り、ボロモ火山の火口への直登はマックスのパワーウォークを打ち込む。
    来るな、来るなよ!
    後ろから追われる恐怖。焦るな、落ち着け!
    自分の葛藤が始まる。


    ついにラスボス、ボロモ火山のピークにつき、証明のブレスレットをつけてもらい、折り返して下る。

    ボロモ火山は、今日もジェット機のエンジン音の様な爆音を奏でている。観光客がたくさんおり、「ソーリー!トゥリマカシ!」

    ごめんなさい、ありがとう! を連発して横を通過する。観光客や土産物屋があり過ぎてマーキングが解らない。

    「コースは何処ですか!!」
    何度も周りに聞きながら、山を駈け下る。

    右足のふくらはぎと、ハムストリングスが攣りそう。

    下りきって、まっすぐ行くとまたマーキングを見失う。

    「コースは何処ですか!!」
    周りに尋ねると、スタッフが走って来て、「あっちだ!」

    と、元に戻る。 焦る。もう2度とないかもしれない海外レースの勝利をロストで逃したくない。

    運良くすぐにコース復帰して、砂礫の谷を進む。

    「足が、足がつる!」
    やむなく止まり、必死にストレッチして伸ばす。もうゴールまで後3km。何とか持ってくれ!

    携帯して来た全てのドリンクを飲み干す。
    あとは砂漠を横断し、スタート地点に戻るだけだ。
    足がつらない様に、砂地を蹴らずになるべく上半身で走るつもりで、フォーム腕振りを必死に意識した。
    恐怖心で何度か振り返るが、後ろは見えなかった。大丈夫、行ける。このままのペースで進めば行ける。
    何度も自分に言い聞かせた。

    砂漠を渡りきり、もう一度後ろを振り返る。
    全く見えない。相当離したようだ。
    行ける!大丈夫!
    再度自分に言い聞かせる。
    最後のロードの急坂を登る。ラスト1km! 斜度25%〜30%の激坂で、ロードなのに全く走れない。必死にパワーウォークする。

    何台もジープが唸りを上げて抜かして行く。バイクタクシーもたくさん来る。 2位の選手が、バイクタクシーに乗ってインチキして抜かされたらどうしよう、ジープも鈍いから、リアバンパーに飛び乗れば簡単にインチキ出来ちゃうな、とか、どうしようもない不安ばかりに駆られる。

    兎に角、必死にパワーウォークした。 来ないはずの後ろを何度も振りかえった。

    何度見ても後ろは見えなかった。ついに最後の激坂を登りきり、右に曲がりホームストレートに入る。足はパンパンだったが、レユニオンの最後の下りに比べたら楽勝だった。

    「勝つ、勝つぞ!」

    ゴールのアーチが見えて来た。
    両手を挙げ、ガッツポーズした。

    「やったー!ついに、まさかの優勝!」
    念のためオーガナイザーに再確認した。
    「俺、本当に30kmの一位なの?」

    「Yes! You are winner and new record!」

    あなたは勝者で、さらに大会新記録ですよ!

    さらなるサプライズ、大会新記録まで頂き、感激!ゴールではカメラマンや、観戦していた観客から記念撮影の嵐だった。

    最高…。勝つって、最高…。

    全く予想していなかった、レユニオン二週間後の視察レースでの優勝。 レユニオンに向けて頑張った成果が意外な所で発揮された。

    ゴール後はいろんな人に何度も何度も記念撮影を頼まれた。こんな事、もう2度とないかもしれないから、喜んで撮影に応じた。

    ありがたい。こんなおっさんランナーと写真が撮りたいだなんて、ありがたい。

    BTS 30km出て良かった。
    しかし、2位の選手全然来ない。
    一通り写真撮影や、ドリンクを飲んだりしていたら、10分後ぐらいにやっとやって来た!

    こんなに離れているなら、あんなに心配しなきゃ良かった…。

    2位のインドネシアの選手がゴール。 お互いに健闘を称えあい、握手を交わした。

    3位には前半からずっと競り合って来た、若者が20分後ぐらいにゴールして来た。

    彼も順位を正確には把握出来ておらず、 「君が3位だよ!」と教えてあげると、「マジで!やった〜!」と大喜び。

    朝6時スタートで 3時間21分でゴール。まだ朝10時前だった。表彰式は14時からと言うので、一度ホテルに戻り、火山灰で全身真っ黒になった体を洗い、ハイまみれのウェアも洗濯した。

    何だか信じられない気分だった。まさか、ここでトレラン初優勝が来るとは。 今まで 万里の長城マラソン2016で4位、同大会2017で7位に入った事はあるが、優勝者が同年CCC2位の選手で、タイム差が40分だったり、上位に入っても、どの大会も優勝とは縁が全くなかったので、想像もしなかった。

    たまたまレースのレベルに恵まれたとは言え、こんなチャンスをもらえた事に感謝しかない。

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    • 2017.11.30 Thursday
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      コメント
      Fabulous!!  
      大きい大会で優勝、それも海外で、尚且つコースレコード!
      サイコーです!
      しばらく更新されていませんでしたが元気そうで何よりです。
      又、大会レポ楽しみにしてます。
      • モンユリ
      • 2017/11/28 6:46 PM
      お久しぶりです!いまだに読んでいてくださり感激です!仕事がPC作業が増えてから、めっきりブログをサボるようになってしまいましたが、元気に走り回っています。まさかの海外優勝は自分でもビックリ。良い経験でした。インドネシア🇮🇩にすっかり惚れ込んでしまいました。
      • うつぼん
      • 2017/11/29 7:12 PM
      強力に自然治癒を促す最強の必須栄養素です。悩めるあなたに最適。
      最新の研究で、自閉症やアルツハイマー病、癌等は、ヒューマンパピローマウイルスの感染とアスベスト±重金属の汚染の合併と分かりました。治療はいたって簡単です。平均適量は、ビタミンD400単位x3〜4/日とタウリン180x3〜4/日です。全身のウイルスやアスベストが尿中に排泄されます。回復を促進させる事が出来ます。自閉症等は発症3年以内だと劇的に治ります。それ以降は効果は落ちますが、徐々に効きます。近くの薬局で買えない場合は、ネットや又は海外から個人輸入できます。タウリンはリポビタンDなどにも入っている安全なものです。ビタミンDは骨・カルシウム代謝のみでなく、脳細胞を元気にして、その再生と更に新生をも助けます。つまり健康人でも飲めますし、それなりに集中力がつき、頭が働くという事です。両者とも強力な、そして副作用の殆どない、抗がん/抗ウイルス作用が見つかっています。是非私のブログを参照にしましょう。➡ http://blog.goo.ne.jp/nobuokohama
      これらは必須栄養素であり、非常に簡単に誰でも何処でもできますから、是非試されることを期待します。ご参考まで。あらゆる脳疾患や不眠症、喘息、癌など、全てに応用は可能です。  DRNO
      • DRNO
      • 2017/12/06 11:17 PM
      遅ればせながら優勝おめでとうございます!
      いやあ、素晴らしいです。
      海外レースでの優勝、喜びもひとしおですね。
      インドネシアのレース、真面目に考えています。
      来年GWの大会にツアーで参加しようかどうか。
      参加する際はよろしくお願いします!


      • チャレ
      • 2017/12/13 11:17 PM
      おめでとうございます。
      素晴らしいです。
      私は今季、故障ばかり。
      来季の復活を目指します。
      • ziro
      • 2017/12/17 12:42 PM
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