11月4日 インドネシア BTSウルトラ 勝ちました!

  • 2018.12.01 Saturday
  • 22:44
11月4日 インドネシア?? #BTSultra 30kmレポ (長文注意)

昨年2017年、レユニオン??から3週間後に参加したBTS Ultra 30km。思いがけず海外レースでの初優勝となり、コースレコードのおまけまでついて来た、縁起の良いレース。


しかし今年は 4月クロアチア #100milesofIstria から始まり、5月インドネシア #Rinjani100 100km 獲得標高9650m、 8月フランス #UTMB 170km 完走と、3本のウルトラトレイルを走った事もあり、完全にオフモードで体重が約4kg超過し、大会直前まで体が重く昨年の記録は到底更新できそうもない…。 ホテルの階段上がるだけで、乳酸たまるし息は切れるし、正直「あかん」と思ってました。


激坂連続だったRinjani100


クロアチア??100miles of Istria

でも、現地で沢山のインドネシアの方々に声を掛けられ、自らの大会記録更新 楽しみにしてるよ!と言われ、完全に準備を怠った自分を呪いました。

【GadoGadoダイエット】




野菜メインで低糖質なインドネシア 料理 ガドガド

付け焼き刃で、1kgでも軽くしようと現地入りしてから急遽低糖質ダイエット、GadoGadoという豆腐と様々な野菜炒めのインドネシア料理だけをひたすら食べて、ちょっとでも痩せようと悪あがきしてみます。

基本ライスや麺のメニューが多いインドネシアですが、このGadoGadoはなかなかヘルシーな低糖質メニューだなぁ、と新たな発見。


【モトクロスバイク】

2日前から100マイル レースが始まり、ツアーの片岡さんが爆走トップ。100マイル のサポートが最重要なので、前日深夜2時からモトクロスライダーをチャーターし、アクセス可能なエイドを回りました。



モトクロスライダーのアフィと

どのエイドに行くにもBromo Tengger Semeru 国定公園の砂漠を遠ならければならないので、非常にテクニカル。 ひたすら砂地やダートを進み腰と尻が爆発寸前です。


しかし、苦しみながらもトップを走り続ける片岡さんをなんとか勝たせたいと、出来る限りアクセスできるエイドへサポートに回ります。
最後にサポートしたJetakのエイドでは、タイム差がかなり縮まり、優勝出来るか際どい展開でした。


jetakエイドでグロッキーの片岡さん

【30kmスタート】

11月4日朝4時に ハッと目が覚め、片岡さんの経過を確認。無事にトップを守り続け、ラスト20kmは通過済み。しかし、30kmスタートにギリギリの予想。
私はお粥だけ食べて、#gontex の足首貼ったりと膝ハッタリを装着し、ウェアに着替えて5時半からアップに出掛ける。

昨日までは体が重くて重くて、レースにならない気がしていたが、今日はなんか軽いかもしれない。 片岡さんの優勝が濃厚になり、気合いが入った。


30kmはBTSの中では、最も短くイージーなカテゴリーだが、一番最後に開催され、取りの種目。
参加人数も約320名と最も多い。


【日本人の大活躍】


昨夜のうちにゴールとなった101kmは男子が日本人選手でワンツーフィニッシュ、女子も日本の方が優勝、そして片岡さんもかなりの確率で優勝しそう。 最後の種目、取りの30km 昨年優勝した自分が勝てなかったら他のカテゴリーで頑張った皆さんに、なんか申し訳ない。


そして何よりディフェンディングチャンピオンとして招待して下さったオーガナイザーの為にも、無様な走りは出来ない。


急にプレッシャーを感じ始める。今年はなんとか表彰台でもいいか、なんて当初は思ってダイエットも全然して来なかったことを激しく後悔したが、時すでに遅し。

兎に角、現状のベストを尽くすべくアップはかなり入念に約45分行い、しっかり心拍も三度あげて準備した。


【感動のゴール】

6:20 30kmスタート10分前、片岡さんはまだ来ない。間に合わないか…。諦めかけたその時、オーガナイザーのルディさんが、
「片岡さん、もうすぐゴールだから 片岡さんゴールを待つことにする。ゴールしたらスタートするよ」 と、粋な計らい。

「日本国旗ない?」と聞かれたのでサポート用に持ち歩いている国旗をダッシュで部屋に取りに行く。


国旗をスタッフに渡した。ゴール地点には30kmスタートを待つランナーとその応援の方々で、今大会中おそらく最も人が集まっている。

そんな中ついに
「170km Winner Yohei Kataoka!!」


片岡さん感動の100miles 優勝ゴール!

とMCが入り、坂道の向こうから片岡さんが登場!!
ぐわっ と胸に込み上げるものがあり思わず涙が!

例年は深夜ゴールなどが多い170km 、今年は最も参加者が多い30kmのスタートに合わせてゴールしたもんだから、ものすごい歓声のなか感動のゴール! 片岡さん、メルディ、私で熱い抱擁を交わし、優勝を称え合い 片岡さんはメディアや観客との写真撮影に引っ張りだことなる。


大会史上初100miles 日本人優勝!

【30kmスタート】

片岡さんの感動的ゴールセレモニーが、終わるとすぐ様30kmスタート。


私のすぐ後ろのインドネシア??の選手がものすごく押してくるから、前言って良いよ、と前に出す。

5.6名 めっちゃ私を見てきて気合いが入っている。マークされる存在なんて、完全に初めて。
私が2位以下でゴールしたら、片岡さんの劇的な優勝に泥を塗るなあ、と思ったらにわかに緊張してきた。

恒例のインドネシア??国歌斉唱、この国歌結構レース中にループする。インドネーシアー?


カウントダウン 3.2.1.スタート!!



ヨーイドン!

案の定気合い満点のインドネシア勢が10km走のごとくすっ飛んでいく。スタートしてすぐ短い急坂なので、あっという間に心拍は上がる。

30kmは短いようでも、突っ込むとラスト耐えきれない。前に8人くらい行ったが、ここは2300m。すぐにスピードが落ち始める。


先頭が見える範囲で、兎に角オーバーペースにならないよう気をつけて進む。 まだ元気な選手が何人かまた抜いてくるが、気にせず行かせる。


初めは外輪山の稜線を緩やかにアップダウンでほぼ走れる。コースの難所は5kmからの2700mまで約500mを一気に上がる絶壁の急登と終盤のボロモ山火口へのトラバースだ。


走れるアップダウンでギリギリ見える範囲に先頭は青いシャツ、番手が緑、3番手が赤、4番手が白シャツ、あと目の前に2人。


先頭を行く青シャツさん



番手の赤シャツさん



昨年は数名全く見えなくなり、自分が何番手か分からなくなったので、今年はきちんと把握する。

目の前の2人が減速し始め、緩い登りで足が止まっているのでパス。4番手の白シャツも止まり始めパス。2番手だった緑シャツもスローダウンしパス。

みんな突っ込みすぎだよ…。2300mでダッシュしたらあっという間にオールアウトする。

残すは青シャツと赤シャツ。赤シャツの選手が、スタート前に私を睨むようにガン見していたから、かなり気合い入っているはず。

先頭の青シャツの選手はもうフォームがブレブレで、完全にレッドゾーンで押している感じ。スローダウンするのも時間の問題かと観察。

ここはまずこの2人を冷静に観察し、少し間を保って2人に潰し合わせる作戦。

の、はずが外輪山から火口原への下り入り口で、番手の赤シャツがプチロスト。

私が 「こっちだよ!!」と教えてすぐリカバーするも、私の後ろに。 早くも番手になってしまった。

明らかにこの赤シャツの彼が一番走れそうだったので、もう少し観察したかった。

【B29への登り】


外輪山からカルデラの底に降りるテクニカルなつづら折れの下りを駆け下り、一度赤シャツランナーを前に出そうと思い、疲れたふりをして減速してみるが、一緒に減速し前に出たがらない。


むむ!これは想定外、すぐに前に出ようとすると思っていたが…。


やむなく再加速すると、少し距離が開く。先頭を行く青シャツランナーを徐々に詰めていくが、ここから絶壁の外輪山斜面を一気に標高500mを登る。

何箇所も腕を使ってよじ登る岩場も現れる。

頂上には理由は知らないがB29と呼ばれる展望ポイントにエイドがある。500mを1.5kmぐらいで登る激坂だ。

この登りは終始きつく、予想外に長いので登り始めはかなりセーブした。すると赤シャツの三番手が 「よく頑張ったな!」と、言わんばかりに私の腰を「トントン」と二回叩いて抜かしていった…。

「まあ、まあ、まあ、赤シャツさん、まだレースは終わってないからね。逃がすつもりは毛頭ないよ」 心の中で呟く。

ここは無理に追わず、少し距離を置いて自分のペースを守る。登り切ると2700mの外輪山稜線はかなり走れ、更に再度外輪山からロードの坂を下り、カルデラ内部の平坦な砂漠を約8km走り続けるコースになり、ここをいかにしっかり走れるかが勝負を決める。

最初からかなり飛ばしていた先頭の青シャツランナーは、物凄くキツそうに登るものの、なかなか粘り落ちてこない。しかし離れても行かず、それぞれ10mおきぐらいでB29展望台のエイドに着く。

私はスポーツドリンクのみ、一気に250ml程飲みフラスクには補給せずエイドアウト。

トップから私までのタイム差は10秒もない。トップの青シャツランナーは必死に差を広げようと走るが、もう軸がブレブレ。赤シャツさんはじわじわと青シャツさんを詰めて行くので、ココは暫く2人に潰し合わせて、どちらもレッドゾーンで一番キツイタイミングで仕掛けて見ることにする。

緩やかなアップダウンながら標高は2700m、プッシュし過ぎるとすぐレッドゾーン入りする。 遂に番手赤シャツさんがトップを行っていた青シャツさんを捉え、トップに立つ。

【カウンターアタック】


赤シャツさんがトップに立つが、かなり緩やかな登りでも歩きが入り、かなりペースが落ちている。 キツイのか牽制なのか。

5mまで迫り、自分が苦しそうだと思えば、振り切ろうとするのでは? と、ワザと物凄くキツそうな呼吸をしてみて反応を伺う。

上げようとしているようだが、上がっていない。スタートから突っ込んできていたので、ほぼオールアウトしかけている。

緩やかな下りでも相当ゆっくりなジョグになっているので、ここであまり休ませていかんと、一気にカウンターアタック。少し後ろからペースを上げて一気に2人を抜き去り差を広げる。

ある程度差が開くまではレッドゾーンギリギリでプッシュ。いままでレッドゾーンで押してきたであろう青シャツさんと赤シャツさんにはダメ押しのレッドゾーンになる、と予想。
追ってくれれば、こちらの目論見通り、追わなくても視界から消えれば、2位争いにシフトしてしまうかも。

このB29からの2700m稜線は大好きなコース!右手には壮大なボロモ火山の山々、左手にはスメル火山とそれを囲む山々、兎に角素晴らしい絶景ながらかなり走れる。



壮大な景色のカルデラ

ここは生活ロードとして現地民のバイクロードで、やたら出力のあるカブがバリバリと走って来る。

去年より轍が掘れていて、そこにパフパフの火山灰ベースの乾いた土が溜まり、実に走りづらい。

轍の右や左を行ったり来たり、走りやすいルートを探しながら走る。

どんどんペースに乗り、最高に気持ちいい!まるで獣になったように絶景トレイルを駆け抜ける爽快感は本当にたまらない!

トレランはなんて楽しいんだ!

最高だ!

と頭の中でセロトニンが吹き出しているのがわかる。いつしか後ろの2人の気配は全くなく。15kmにして、ほぼ勝利を確信する。


【脚が攣り始める】

しかし! 油断大敵、捻挫や足攣りで大幅減速したらまだまだ分からない。オーバーペースにならないように登りは無理に走らず、少し回復させながら進む。

ロードに出るとランクル道の激しいアップダウンを進む。 ここまでパフパフの柔らかい道を走って来ていたので結構筋力を使っていて、右ハムが攣り始める。 ロードに出たらエイドが近いはずで、フラスクに入れた #STC #overblast #NoClamp とスプリントを飲み干し、できるだけ水分補給。

Go Pro を持った大会カメラマンのカブが私と併走する。

17km地点のジャンプランエイドが見えてきたので、手前でフラスク二本取り出し、蓋を開けてエイドイン。水とスポドリ1本ずつ満タンにし、ペットボトルの水を浴びて40秒くらいでエイドアウト。 50mほどコースを戻るが後ろの気配はない。ここから再度外輪山からカルデラの底の砂漠に下って行く。


ジャンプランエイド直前

下りきり一切日陰のないカルデラ砂漠に出る。暑い、ランクルツアーの巻き上げる砂埃がすごい!
砂埃でマーキングを失いかける。



火口原の砂漠を進む

この砂漠走り続けていると、微妙な砂の色の違いや気配で走りやすい場所が見えるようになってくる。そう言う場所を探しながら右往左往しながら進む。

去年より断然走りにくい…。
去年は前夜にも雨が降り、景色ももっと青々としていた。今年乾季に全く雨が降らず、どこもからっからに乾いていた。砂漠もふかふか過ぎる場所が多くスピードをあげようがない。

砂地はロードの様に蹴れないのでなるべくしっかりフラットに着地し、蹴らずに腕振りと腹筋で足をなるべく素早く前にあげる感じで走る。

呼吸と腕振り、腰が落ちないようにフォームとリズムだけを考えて進む。

【コースレコードを狙う】


砂漠の入り口で後続は全く見えなかった。
だからこのまま安全に進んでも勝てただろう。だけど不思議とそれは求めなかった。

「コースレコードを更新したい」
もう41になった。ランナーとしてあと何回優勝できるかわからない。もしかしたらこれが最後かもしれない。

自分として生きた証を残したい。2年連続でコースレコードを出したい。
そう強く思い始めた。
自分自身でも意外だった。最重要ミッションである優勝はほぼ手中にある。体もベストでは無く、そもそも無理だと思っていた。

コースコンディションも明らかに悪く、砂漠のペースが昨年より明らかに遅い。タイムは出ない可能性は高い。

でも、緩めなかった。接戦同様にギリギリを攻め続けた。段差につまづいて転んだ。

右ふくらはぎが強烈に攣った!!
ウオォオー!痛みに悶絶するが ギシギシと伸ばす。 フラスクの水を全部飲んだ。

ここから最後の難所 ボロモ火山へのトラバースだ。雨季にできた川の、今は干上がった渓谷を進む。まるで火星探検に来たかのような景色。
木はまるで無い荒涼とした景色の中を突き進む。



火星のような乾いた火山の斜面をトラバースして行く

激しい乾季の影響か、昨年と地形が変わっている。

表面だけが硬く、中は脆い砂礫の急登を進み、激しいヒダヒダのボロモ火山の斜面をトラバースしていく。



最大の難所を進む

この辺で大量に砂が靴に入り、シューズサイズが1cm近く縮まって先端の親指の下に大量の砂が詰まる。

止まって出したいが、そのせいでコースレコードを逃すかもしれない。

どんどん砂は入り、親指を圧迫する。 痛い。親指が痛い。

【ボロモ火山トラバース】


BTSの名所、まるで月面か火星を走っているように見える ボロモ火山のトラバース。腕も使いながら転倒しないようにバランスを取り進む。

今年は全てのカテゴリーが通過済みで、踏み跡があり、例年より大分進みやすい。

最大の難所を超えてボロモ火山火口への階段を登る。


ボロモ火口への階段

足が限界!心拍マックス!親指痛い!

階段を登りきると直ぐに下り、チェックポイント通過のバンドを腕にはめる。 後は火口原の砂漠を横断し、ランクル道のロードを登ればゴールだ


ボロモ火口からの幻想的な景色

残り約2-3km 3時間05分 去年の自分の記録は3時間21分、残り16分。
間に合うのか?? 残り3kmならkm5で行かないと間に合わないが、ランクル道は約400mの激坂で走れない。 極めてギリギリだ。

ボロモ火山の下りは攻めまくった。

砂礫だから柔らかく足へのダメージは少ない。
しかし平坦は砂に埋まり進まない。

足の親指の痛みが尋常では無い、完全に皮が剥けているのが分かる。
でも、去年の自分に勝ちたい。
去年の自分はすぐそこに居る。お前を倒す!!

残る力を振り絞り、ランクル道の激坂に入る。

3時間12分 ラスト約1kmだがここから400mの20%超の激坂。走れない。

必死にパワーウォーク。あせもヨダレも滴らせ、渾身の力で登る。ちょっとでも緩いところは走る。
くそっ!間に合わない!もっと速く!

3時間15分頃なんとか最後の坂を登りきり、ゴールに向けて右折。
脚が攣る!指が痛い!
ドおりゃああああ!!
ラストスパートをブッこむ。
ゴールアーチが見える、行ける、行ける!



ゴールの瞬間

ゴールにはインドネシアの相棒メルディが国旗を持って待っていてくれた。
2連覇のVサイン??を出しつつゴールに飛び込む!!

よっしゃああっ!!

3時間17分台!!

去年の自分を倒した!そして170km 優勝の片岡さんと、再びガッチリと握手!



チーム フィールズオンアース 170km &30km ダブルタイトルゲット!!

最高!!

片岡さんほどでは無いが、沢山の現地の皆さんに囲まれ写真撮影やインタビューの嵐。



ボロモ火山をバックにインタビュー

Rinjaniでも献身的にサポートしてくれた 大会スタッフの Ameliaさんは泣いて喜んでくれた。


表彰式。2位とは26分差がついていた。
去年の海外初勝利も最高だったけど、ディフェンディングチャンピオンとして連覇、更にコースレコード更新出来たことは、自分にとって本当に大きな経験。

目標物やライバルがいない中で、最後まで追い込みきれた事は大きな財産だ。

インタビュー最後に、私の愛してやまない地震被害にあったロンボク島の皆さん、津波、液状化で甚大な被害を出したスラウェシの皆さんへの一早い回復への祈りとメッセージを伝えた。

地球は生きている。
このBTSに来ると、コンクリとアスファルトで固められた日本の都市では感じることができない、偉大なる地球のパワーを感じずには居られない。




地球のパワーを全身で感じるボロモ火山
このボロモ火山もいずれまた噴火するだろう。
その時はレースが無くなるかもしれない。

でも、この伝説的な神々しい山々を巡るBTS ウルトラを走れた事は、私の人生において最も輝かせてもらった時間。
このボロモ火山の地に自分の生きた証しを記せたことが、何よりの私の勲章。

ありがとう。BTS Ultra

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